【新聞ウォッチ】シューマッハも10億円寄付、インド洋地震から偽札まで

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気になるニュース・気になる内幕…今日の朝刊(朝日、読売、毎日、産経、東京、日経の各紙・東京本社発行最終版)から注目の自動車関連記事をピックアップし、その内幕を分析するマスコミパトロール。

2005年新春スペシャル版

あの終戦から60年にあたる2005年がスタート。まずは、謹んで新春のお慶びを申し上げます。この「新聞ウォッチ」も本年で5年目を迎えましたが、引き続きご愛読をよろしくお願い申し上げます。

さて、年末年始の紙面をチェックすると、明るい話題では紀宮さま、黒田さんのご婚約内定発表(12月30日)があったが、12月27日に発生したインド洋・スマトラ沖巨大地震と大津波に伴う被害状況を伝える衝撃的なニュースが連日のように報じられていたほか、奈良市の女児殺害で36歳男逮捕(30日)、初詣の社寺で1万円偽札大量使用事件など、相変わらず社会面を賑わす記事が目立った。

ちなみに、自動車関連を含めて企業ネタでの“お騒がせ”スクープ報道はほとんど見当たらなかった。

元旦に配達される各紙のボリュームは、広告面の多い別刷りを含めた総ページ数で今年も日経が116ページ(昨年も同様)とトップ。次いで読売が104ページ(昨年108ページ)、朝日が96ページ(昨年100ページ)、昨年と同じ産経92ページ、毎日88ページなどとなっている。

別刷りの目玉企画は3月25日から開幕する「愛知万博」(愛・地球博)で、日経を除く各紙とも元旦の紙面で派手に取り上げていた。

このうち、朝日は「のび太の万博大冒険」と題して、人気キャラクターのドラえもんのガイドでわかりやすく出展パビリオンなどを紹介。また、日経は4日付の本紙朝刊で3ページの特集を企画、万博協会の会長を務める豊田章一郎・トヨタ自動車名誉会長に「愛知博の魅力」などをインタビューしている。

地球環境の問題がクローズアップされているにもかかわらず、全国的な知名度はいまひとつだといわれているが、ヒト、モノ、カネをフルに投入しながら愛知博を盛り上げようと、トヨタグループの意気込みはすさまじいものがある。

こうした中、東京は系列の中日新聞が開催地のお膝元でもあることから、4日付の「社説」でも「さあ、お祭りの開幕だ」と、今世紀初の国際博覧会をアピールした。

その他の特集記事に目を向けると、日経などが取り上げる新年恒例の「2005年トップ人事」はそれなりに興味深いが、自動車メーカーではこの6月で在任6年となるトヨタ自動車の張冨士夫社長の去就と、間もなくカルロス・ゴーン社長が任命する日産自動車の最高執行責任者(COO)。

このうち、トヨタは秒読みの豊田章男専務の社長昇格のタイミングが焦点で、日経(4日付)、東京(5日付)とも「来年以降との見方も」という玉虫色の予測である。

決め手に欠くのは奥田碩会長の経団連続投の可能性や章男専務が副社長を経験していないことなどをあげているが、会長、社長2人に最終的な人事決定権がないことも読みにくくしている。

張社長の“財界デビュー”との時期を考慮すれば、社長交代の公算は大きいとみたい。その張社長の年頭のあいさつは「もう一段のレベルアップに挑戦していく年」(産経・5日付)。それにしても、元旦の朝日に「豊田鉄郎氏社長に昇格」と報じられていたのには驚いたが、これは豊田自動織機のトップ人事。

一方、5日までの自動車関連の記事としては、「車リサイクル不安抱え始動」(日経・30日朝刊)をはじめ、この元旦からスタートした自動車の回収・処理費の消費者負担システムを紹介する解説記事が目立ったが、5日になってから「04年米新車販売シェア、日本車、3割台。トヨタ200万台突破」(毎日など5日夕刊)といった明るいニュースが飛び込んできた。

また、F1ドライバーのM. シューマッハー氏がスマトラ沖地震復興支援のため個人で1000万ドル(約10億円)を寄付するというのもさすがである。

再建が危ぶまれている注目の三菱自動車は、産経が4日付で「北米で世界戦略車生産」を報じた以外には際立つ記事はなかったが、「パリ・ダカ、増岡優勝争い脱落」、「北米三菱自社長が退任、個人的事情、再生計画に影響も」(東京など5日夕刊)など、暗雲を漂わせるニュースも報じられている。

月末にも公表される予定の新再生計画案を巡る報道合戦はこれから本番を迎える。

《福田俊之》

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