8日、京都府京都市内にあるJR奈良線の踏切で、21歳の男性が運転するクルマが立ち往生しているのを通学中の女子高校生が発見した。男性は酔い潰れて車内で居眠りしていた。
この高校生が列車の非常停止装置を操作したため、列車との衝突は免れた。警察ではこの男性から過失往来危険と道路交通法違反(酒気帯び運転)容疑で事情を聞いている。
京都府警・松原署によると、このトラブルが起こったのは8日の午前6時40分ごろ。京都市東山区本町20丁目付近にあるJR奈良線の踏切で、近くに住む15歳の女子高校生が通学のために通り掛かったところ、踏切内で脱輪し、立ち往生している乗用車を発見した。
運転席では若い男性が居眠りをしており、この高校生が「起きて、起きてください」と窓ガラスを叩いても反応が無かった。遠方には電車のヘッドライトも見えたことから、高校生は踏切に設置された列車非常停止装置のスイッチを押し込むとともに、持っていた電話で警察に通報した。
奈良から京都に向かっていた普通電車は、すでに前の駅を出発していたが、列車非常停止装置が作動していたため、踏切の50m手前で急停止。衝突は免れた。車内にいた男性は列車が掛けた急ブレーキの音で目が覚め、直前にクルマから脱出して無事だった。
とはいえ、クルマは脱輪した状態で踏切内に残されたまま。通報によって駆けつけた警察官やJR西日本の職員などが数人で踏切の外に押し出し、電車は約30分遅れで運転を再開している。
警察では男性から脱輪に至った事情などを聞いているが、男性はトラブルの数時間前まで飲酒をしており、当時も酒気帯び相当量のアルコールを呼気から検出している。車内で眠っていたのも、酔い潰れた結果らしい。
このため、警察ではこの男性を過失往来危険と道交法違反(酒気帯び運転)容疑で書類送検する方針だ。
また、発見者の女子高校生については「彼女が早い段階で列車を止めたことによって、大事故を未然に防いだ」と絶賛しており、表彰される見込み。