酔って路上に寝込んだ延べ108人…頭を抱える糸満署

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沖縄県警・糸満署は12日、今年1月から6月までの間、同署が管轄とする3市町村において、路上横臥(酔い潰れて路上で寝込む)関係の通報が108件に達していたことを明らかにした。

同様の統計を取っている警察署は沖縄県警では他にはなく、全国的にも珍しいとみられている。

糸満署管内では以前から「酔い潰れた人が道路に倒れている」との通報が相次ぎ、発見が遅れたことで交通事故に遭い、ケガをしたり死亡するというケースが後を絶たなかった。

これまでは正式な件数として記録を取っていなかったが、他の警察署から赴任してきた警察官が「糸満は路上横臥が他よりも多くないか?」と疑問を投げかけたことなどがきっかけとなり、正式な件数をカウントすることになった。

その結果、今年1月から6月までの間、実に108件の通報を受けていたことがわかった。数は少ないながら女性の横臥者もおり、このうち39歳の女性は今年5月に東風平町内の路上でクルマにはねられ、全身を強く打つなどして死亡している。

沖縄県警全体で見た場合、路上横臥が原因で被害者が死傷した交通事故の総件数は6件で、このうち死亡1、重傷1、軽傷4となっている。死亡事故と重傷事故、そして軽傷事故1件の合わせて3件は糸満署管内で発生している。

108件のうち事故に至ったケースが3件なので、数字上は意外に少なくもみえるのだが、同署では「それだけの数の人が路上に倒れているというのは、やはり異常としかいえない」としている。

路上横臥が増えた背景には、改正道路交通法施行による飲酒運転の罰則強化があるともされており、これまでは飲酒運転を強行していた人が、高額な罰金を恐れて徒歩での帰宅に切り替えた結果、酔い潰れて路上に寝込むことが多くなったのではと分析している。

飲酒天国オキナワを裏付ける数字でもあるが、警察では「夏休みに入り、青少年に対して夜間徘徊の防止を呼びかけている最中、地域の大人たちが酔い潰れて路上に寝込んでいるようでは困る。大人としての自覚を持ち、節度ある飲酒をしてほしい」とコメントしている。

《石田真一》

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