福岡・佐賀の両県警、バスジャック事件をスピード解決

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22日午前、福岡県前原市内のバス停に到着した路線バスが包丁を持った男に乗っ取られるという事件が起きた。男は運転手を人質に取り、「長崎県に行け」と要求。運転手はこれに従って走行したが、約1時間30分後に警察官が車内に突入し、男を逮捕した。

福岡県警・前原署によると、事件が起きたのは22日の午前11時50分ごろだという。前原市加布里にある加布里バス停に昭和自動車が運行する路線高速バスが到着したところ、このバスに最後まで乗っていた50歳の男が、このバスを運転していた49歳の運転手に包丁を突きつけ、「長崎まで行け」と脅した。

バスはこの停留所でJR博多駅まで折り返す予定となっていたが、運転手は男の指示に従う形でバスをそのまま発進させた。

運転手はバスを長崎方向に向けて走行させ、午後0時30分ごろに福岡県二丈町内の二丈浜玉有料道路を通過する際、料金を払うふりをしながら、収受員に対して小声で「バスジャックだ」と告げた。バスはそのまま走り去ったが、収受員が「バスジャックが発生した」と警察に通報。これを受けた福岡、佐賀の両県警がバスの追跡を開始した。

福岡県警のヘリコプターが佐賀県方向に走るバスを発見。その後に地上を走るパトカーが福岡と佐賀の県境付近でバスを捕捉。そのまま追跡を開始した。

バスは両県警のパトカーに前後を挟まれる状態で走行を続けたが、唐津市東唐津4丁目付近の市道で佐賀県警のパトカーが走行を抑止。運転手が開けた前部ドアと、後方の窓から警察官が車内に突入した。

男は包丁を振りかざして抵抗したが、福岡県警・機動捜査隊の隊員が拳銃で威嚇しながら男に接近。最終的には持っていた懐中電灯で男の手を叩き、包丁が落ちた瞬間に別の警官らが取り押さえ、強盗と銃刀法違反の現行犯で逮捕した。

警察の取り調べに対して男は「長崎の知人のところに行きたかった」と供述しているという。

福岡、佐賀の両県警では2000年5月に発生した、少年によるバスジャック事件以降、同様の事件に対する初動体勢を強化しており、それが今回のスピード逮捕につながったと評価している。

《石田真一》

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