神戸大学院生殺人事件…被告側は殺意を否定

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路上駐車を巡ってトラブルとなった男性を拉致監禁し、執拗な暴行を加えて殺害したとして、殺人などの罪に問われた暴力団組長ら7人に対する公判が21日、神戸地裁で開かれた。

この日は被告弁護側の最終弁論となったが、代理人は「殺意は無かった」と改めて強調した。

この事件は2002年3月4日に発生している。兵庫県神戸市西区内で、路上駐車を巡って暴力団組長とトラブルになった27歳の男性が、この組長の命令に従って現場に駆けつけた配下の組員に拉致監禁され、執拗な暴行を受けた結果死亡。翌5日に遺体で発見された。

男性からの通報を受けて駆けつけた兵庫県警・神戸西署員が通報者の男性が現場にいない(このとき、すでに監禁されていた)ことを見落とし、関係者からの聴取や周辺捜索を行わないまま引き上げるなど警察側の不手際も指摘され、これが暴力団員による暴行を加速させる一因になったとの指摘も当時なされた。

これまでに検察側は「無抵抗な男性に対して執拗な暴行を繰り返した。最終的には放置したが、男性を放置すれば死亡することは認識でき、この点からも被告に殺意があったことは明らかである」として、男性への暴行を指示した元組長に無期懲役、共謀の6被告に対してはそれぞれの役割に応じて懲役10−20年を求刑している。 

21日に神戸地裁で開かれた公判では、被告弁護側の最終弁論が行われており、弁護側は検察側の主張を真っ向から否定。「被告の暴力団組長は路上駐車を巡ってトラブルとなった男性に怒りを感じ、暴行を加えたことは事実だが、被告らが当初から男性を殺害しようとする意図は無かった」として、殺意があったことを否定した。

公判は今回で結審し、今年8月5日に判決が言い渡される予定だ。

《石田真一》

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