ソニー『XYZ』(ジィーゼット)は、これまで存在していたハードディスク(HDD)ナビとは違い、積極的に家庭内に持ち込むことを前提とした初の商品だ。
使用目的別にラインナップされた3タイプのうち、ハイエンドモデルにあたる『NV-XYZ77』(予想価格21万円)、ローエンドモデルの『NV-XYZ33』(同16万円)には、Wimdowsパソコンとデータリンクさせることが可能なホームステーションが付属している。
ナビとしての機能に特化させたミドルモデルの『NV-XYZ55』(同19万円)のみ、ホームステーションが別売りオプション対応となるが、付け加えれば同様のリンクが可能だ。
USBケーブルを介して転送可能なのは、映像ファイルがMPEG1/MPEG2、音楽ファイルはATRAC3/ATRAC3 Plus/MP3、画像ファイルはJPEG/TIFF/BMP…となっている。
興味深いのは映像転送には専用のソフト(XYZビデオマネージャー)を必要とするものの、ソニー『VAIO』での普及が進んでいるギガポケットは必ずしも必要としていないこと。
MPEG1/MPEG2であれば転送やXYZ側での再生に対応しているため、テレビチューナーボードを搭載したWindowsマシンによって録画したデータであれば、ほぼ制限なしに使うことができる。もちろん、VAIOユーザーであるならば、ギガポケットを使って作成したファイル(ビデオカプセル)を、XYZビデオマネージャー経由でXYZに転送することも可能だ。
この点についてソニー・eビークルカンパニーの佐々木匠プロダクトプランニングマネー
ジャーは「同じソニーとはいえ、VAIOユーザーを強く意識した製品ではない。映像を扱える環境を持ったWindowsマシンのユーザーすべてが対象だ。カーナビなのでユーザーを限定するような商品でもない」と説明する。
また、XYZ本体右側にはメモリースティック(MS)とコンパクトフラッシュ(CF)のカードスロットが設けられているが、前者はデジカメ用、後者はデジカメ/モデム用として考えられている。
カードスロットを経由してMP3ファイルを本体内HDDにコピーすることもできるが、MagicGate(マジックゲート)タイプのSMには非対応であるため、SMで著作権保護の掛かったATRAC3ファイルは扱えない。
佐々木プロダクトプランニングマネージャーは「あくまでもユーザーのパソコン内にある既存ファイルを簡単な手段でXYZ側に転送して使うことに主眼を置いている。カード類からはデータをコピーするだけでチェックイン/チェックアウトといった考えは採用していない」と語っている。