北海道警は5日、盗難車を運転してパトカーの追跡を受けている最中に事故を起こし、逃走が困難になったことを悟ってクルマに火を放ち、同乗者に重傷を負わせた21歳の男を殺人未遂容疑で再逮捕した。
男もこの際に気管支熱症の軽傷を負っていたが、同日に函館市内の病院を退院したことで逮捕となった。
北海道警・函館中央署の調べによると、この事件は3月29日の未明に起きている。同日の午前2時ごろ、八雲町内をパトロールしていた同署のパトカーが盗難手配の出ている軽自動車を発見、追跡を開始した。
軽自動車は約15分間、国道5号線を逃走したが、七飯町内で電柱に激突した上、滑走して横転するという事故を起こした。複数台のパトカーに乗っていた警察官が乗っていた男に対して投降を呼びかけたが、男はタンクから漏れて車内に流れ出していたガソリンに自らの持っていたライターで火を放った。
クルマは猛烈に炎上。乗っていた2人は警察官に救助されたが、助手席に同乗していた男性はガソリンをかなり浴びた状態だったために服にも引火しており、全身やけどで重体となっている
警察では盗難車を運転し、火を放った男を主犯と認定。事件当日に建造物以外等放火容疑で逮捕している。しかし、事件直前の状況から「男は自らの逃走を継続するため、同乗者に危害を加えることをためらわなかった」と判断。この部分に未必の殺意があるとして、男の退院を待って殺人未遂容疑で再逮捕した。
男は「同乗者を殺そうという意図は無かった」として、容疑を全面的に否認している。