行動を記録されないため偽造プレート? 群馬県警の警部補を逮捕

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群馬県警は16日、太田署の地域課で係長職を務める50歳の警部補が、捜査の妨害を行ったとして公務執行妨害の現行犯で逮捕した。

この警部補が所有する乗用車に偽造ナンバープレートが取り付けられているという情報があり、捜査を行おうとした矢先の出来事だった。

群馬県警・交通指導課によると、事件の発端となったのは県警・監察官室がもたらした情報だという。

太田署の地域課で係長職を務める警部補が、同署に配属された昨年11月から太田市内にある警察官舎に入らず、住所のみを使って、実際には高崎市内にある知人宅から出勤しているという報告があり、監察官室が調査に乗り出したところ、警部補が使っているクルマの前部に偽造ナンバープレートが取り付けられていることが発覚した。

プレートは紙のような材質で作られたもので、本来のナンバープレートの上に被せるような状態で取り付けられていた。後部プレートについてはそのままの状態であり、前後のナンバーが違っているという杜撰なものだった。

ただし、描かれていたナンバーは実在しないもので、職務情報を利用してあえて存在しないナンバーを選んでいた可能性もあることから、監察官室は交通指導課に事態を報告。交通指導課はこれを受けて捜査に乗り出していた。

16日に行われた強制捜査では高崎市内のマンションから出勤する警部補に対し、道路運送車両法違反容疑で車両の任意提出を受けようと捜査員数人が待ち構えていたが、警部補はこれに強く抵抗。捜査責任者である47歳の警視に体当たりして軽傷を負わせたことから、公務執行妨害の現行犯で警部補を逮捕。偽造プレートも押収した。

監察官室による取り調べに対し、警部補は偽造されたプレートの入手経路や使用目的について曖昧な供述を繰り返すとともに、捜査方法についても異議を唱えているという。

交通捜査課でも押収したプレートの特徴などを過去の偽造事件で押収したものと照らし合わせているが、類似したものはなく警部補手製の可能性が高いとみられている。

逮捕された警部補は職務態度は普通だったものの、生活態度にかなりの問題があったことが監察官室の調査によって確認されており、偽造したプレートはNシステムなどによる行動記録調査から逃れる目的だったのではないかという指摘もある。

《石田真一》

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