秋田県警、職員に「節度ある飲酒を」と必死

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秋田県警は10日、本部職員や県内の17警察署に対し、節度ある飲酒を求めることなどを柱とする異例の通達を行った。

大館署の巡査部長が勤務終了後に同僚と飲酒し、翌日までアルコールが体内に残留し、酒気帯び運転となってしまったことを受けて出されたもの。深酒だけではなく、大量の飲酒を自粛したり、忘年会などは二次会そのものを無くすように呼びかけている。

これは大館署員による飲酒運転の発覚を受け、秋田県警・監察課が県内の17警察署に対して通達したもの。

問題となった大館署・生活安全課に所属する37歳の巡査部長は今月4日夜、大館市内の飲食店で同僚3人とビールやウイスキー、焼酎など相当量のアルコールを摂取した。

同僚は店からタクシーを拾って帰ったが、この巡査部長は駐車場に止めたクルマの中で5日午前0時過ぎから仮眠。午前6時30分ごろに目を覚ました。

この日は午前8時から秋田市内において行われる鑑識技能検定に参加する予定だったが、大館市郊外まで走った段階で「間に合わない」と判断。そのまま官舎に戻り、職場に対して欠勤の連絡を行った。

これを不審に思った上司が官舎に署員を派遣、様子を見に行くように伝えたところ、巡査部長はアルコール臭が漂う状態で玄関に出てきた。

「クルマを運転してここに戻った」という発言を受け、この署員がアルコール検知を行ったところ、酒気帯び相当量のアルコールを検出したため、上司に連絡。今回のトラブルが明らかになった。

監察課ではこの巡査部長に何らかの懲戒処分を科す方向で検討しているが、同僚らとの飲酒で深酒を行ってしまったという点を重視。同様のトラブル発生を防止するため、全職員に対して「節度ある飲酒を」と異例の呼びかけをすることになった。

過度のアルコール摂取はもちろん、飲酒運転を防止するために会場へのマイカー乗り付け禁止など、具体的な禁止項目を列挙。

仮に深酒を行ったとしても罰則は無いが、年末年始の期間中は所属長がアルコール検知を率先して行うなど、かなり厳しい内容となっている。また、これには当たらないが、翌日の勤務への影響を出さないとの理由から、二次会は自粛することも呼びかけている。

いわば「県警本部からの必死のお願い」だが、ここまで徹底しないと最低限のルールを守れないほど警察のアン・モラル化は進んでいるということなのだろうか。

《石田真一》

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