昨年10月、「自動車メーカーなどに依存しない独立系のコンテンツサービスを持ったテレマティクスサービスを準備している」と発表したモバイルキャスト。発表会の際に掲げていたサービス開始時期の2003年春は通り過ぎ、間もなく9カ月になろうとしている。
が、計画の進捗状況など、テレマティクスサービスについてのアナウンスは一切無く、同社は沈黙を続けていた。新しいニュースが何も発表されないため、「モバイルキャストは大丈夫なのか? 本当にサービスを開始できるのか?」というような危惧の声も上がっていたが、16日から東京で開催されたモバイル・IT機器系の展示会『ワイヤレスジャパン』でそれを見事に払拭することになった。
この展示会に同社は市販機器への搭載を前提に開発中のモジュールを出品。現時点はチップを搭載した基板のみだが、同社・技術本部の奥瀬俊哉本部長は「秋に開催する東京モーターショーにはこの基板を組み込んだ試作品を出品し、来春には確実に製品化します。カーオーディオメーカーとのアライアンスも決まり、ようやく市販への道筋がつきました」と鼻息も荒く、そして熱く語る。
懸念材料だった通信インフラの整備についてもこれまで誰もが考えもしなかった方法で実現するというメドが立ち、市販へ向けた準備が本格的に始動したという。
