栃木県警は16日、今年3月まで足利署の交通課に勤務していた49歳の警部補が交通違反の反則キップ約50枚を処理せず、放置していたことを明らかにした。県警ではこの警部補に対し、5月中旬までに本部長訓戒の懲戒処分を実施している。
栃木県警・監察課の調べによると、この警部補は足利署の交通課に配属されていた2002年3月から今年3月までの間、違反者から反則金が支払われなかったため、反則キップが戻ってきた交通違反の処理の処理を怠り、判明しているだけで約50件を放置した疑いが持たれている。
違反者の所在不明などによって交付を行った警察署に反則キップが戻された場合には、担当する警官はただちに違反者の所在を確認して改めて告知するなど、所定の手続きを行う必要がある。しかし、この警部補は他の業務が多忙だったことを理由にこれを放置していたほか、違反内容や処理内容の記録を怠っていたケースも見受けられたという。
今年3月に同署へ赴任した後任者が放置されていることに気づき、4月末までに書類送検など必要とされる措置を取るとともに上司に事態を報告。上司から連絡を受けた監察課が調査に乗り出していた。
監察課の調べに対し、この警部補は「他の仕事が忙しかった。送検に必要な書類を作成する時間がなかった」と釈明。放置したことについては「反省しているが、徐々にその数が増えてきたため、さらに手を付けられなくなった」と供述しているようだ。
県警では5月中旬までに警部補を本部長訓戒の懲戒処分を実施。この警部補の元上司である足利署の交通課長(当時)にも本部長注意処分を行っている。