全日本空輸(全日空:ANA)は27日、タクシー会社4社と提携し、同社のマイレージ会員を対象としたタクシー相乗りサービスを来年2月1日から開始することを明らかにした。羽田や成田、伊丹と関西空港で同じ時間帯に到着した同方面への乗客を対象に、料金が通常よりも格安の相乗りタクシーを運行するというもの。
このサービスは「ANAあいのりタクシーサービス」と呼ばれるもので、全日空とタクシー会社(関東は東京エムケイ、東京ジャンボハイヤー、川崎タクシーの3社。関西はエムケイ1社)が共同で実施する。同社の「ANAマイレージクラブ」会員850万人を対象としたもので、ほぼ同時刻の時間帯に到着し、目的地が同じ方面に向かう乗客をワゴン型タクシーに相乗りさせるというもの。
実施空港は羽田、成田、伊丹、関西の4空港で、羽田と成田の場合は「東京23区、三鷹市、武蔵野市、川崎市、横浜市、および羽田〜成田の相互移動」、伊丹と関西の場合は「京都市周辺、大阪市周辺、神戸市」が利用エリアとなる。料金は通常のタクシーを使うよりも6〜8割も安く、羽田から武蔵野市(最遠地)に向かう場合で2700円、関西から京都市左京区(同)に向かう場合で4000円となっている。また成田〜羽田の相互移動は3500円で、同区間を走るリムジンバスよりも500円高い程度で供される。対象エリアであれば通常のタクシーと同じく自宅までの利用が可能だ。
使用されるクルマは日産『エルグランド』などを改造した専用車両で、車内は独立式のキャプテンシートを備えた6人乗りとなっており、女性でも安心して使うことができる。利用に際しては事前の予約が必要で、航空券の発売と同じく利用の2カ月前から受け付ける。利用した場合には100円あたり1マイルも加算されるため、マイレージ獲得にも便宜が図られている。
エムケイなどは関西エリアですでに乗り合いタクシーを運行しているが、これまでは知名度が低く、利用客が伸び悩んでいた。航空会社と提携することで活路を見出したという感じだが、タクシーの新しい利用形態だけに今後の注目が集まる。