芦屋市は27日、先月23日から1カ月間実施していたラッピング広告付きバスの是非を問うアンケートの集計結果を明らかにした。市としては市民の大多数が反対するものと事前に予想していたが、導入に前向きな意見が目立った。
これは兵庫県が屋外広告物条例の規制緩和に動き出したことに危機感を持った芦屋市が実施したもの。現状では芦屋市内にラッピング広告付きバスは乗り入れていないが、県による規制緩和が実施された場合、市内に路線を持つバス会社が導入に踏み切る可能性が高い。芦屋市は「国際文化住宅都市」を市のテーマとして掲げ、これまで景観に最大限の注意を払ってきたという経緯から、ラッピング広告付きバスの乗り入れを認めるかどうか市民からアンケートを実施することを決め、先月23日から1カ月間、市役所Webサイト上で意見を募ってきた。
その結果、ラッピング広告付きバスの導入を「構わない」とする事実上の賛成票は55.4%に達し、「反対」の33.8%を大きく上回った。中間票の「どちらでも良い」の10.8%を反対票に加えても過半数には届かず、反対票が賛成票を上回るという市の期待は肩すかしに終わった。
もっとも、このアンケートはインターネット上で行われたこともあり、回答者は約80人に留まり、しかも若い世代に偏っているという見方もある。「景観保護に努める芦屋市」を誇りとする中高年層のアンケート回答が数少ないと考えられることから、市としてはこれまでの考え方を堅持し、仮にラッピング広告付きバスが導入された場合も住宅地内への進入自粛を要請するなどしていくものとみられる。