もうクルマの運転はしないでね---免許自主返納の高齢者にバス割引定期券

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秋田県警は31日、県内のバス会社3社と協力し、高齢を理由に運転免許を自主的に返納した65歳以上の人を対象に、「運転免許返納者フリー定期券」を11月1日から発売していく方針を明らかにした。高速バスや空港リムジンバスを除き、県内を走る全路線を格安な運賃で自由に利用できる。

この定期券は高齢者のドライバーを原因とする交通事故が増加しつつある現状に憂慮した秋田県警が、県内のバス会社に対して「免許を返納した高齢者を対象にした格安運賃の実現は難しいだろうか?」と打診したことから検討が始まったとされている。乗客減少に悩むバス会社が前向きにこの要望を受け止め、11月から実現することになった。

実施するのは秋田中央交通、秋北バス、羽後交通の3社。定期券は1カ月1万円、3カ月2万1000円、6カ月3万6000円の3種類で、購入する際には運転経歴証明書(免許証を返納した際に発行を申し出て入手する)が必要となる。

県警によると、県内在住者で何らかの運転免許証を所有する65歳以上の高齢者の数はおよそ8万9000人。このうち10月末までに自主的に免許証を返納した人の数は17人に留まっている。高齢者ドライバーを起因とする事故は年々増加の一途をたどっており、昨年は人身事故だけで582件が発生。死亡者13人、負傷者711人をカウントした。今年はそれを上回るペースで進行しており、最終的には650件近くになるのではないかと予想されている。

大都市に比べて交通の便が悪いことから、これまでは免許証の返納が滞ってきたが、こうした新制度の活用により、自主返納するドライバーが多少は増加するのではないかと県警では期待しているようだ。

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《石田真一》

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