過労運転は会社の強制!! 三重県警が運行管理者を道交法違反で逮捕

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今年8月、三重県鈴鹿市内の東名阪自動車道で大型トレーラーが渋滞中の車列に突っ込み、11人が死傷した多重衝突事故について、三重県警は24日、トレーラーの運転手が過労状態であることを軽視して長距離運転が必要な勤務を続けさせたとして、この運転手が勤務する運送会社の運行管理者と配車担当係長の2人を道路交通法違反(過労運転容認)の疑いで逮捕したことを明らかにした。法人としての運送会社も同容疑で書類送検する方針。

この事故は帰省ラッシュの始まった今年8月10日、渋滞のために東名阪自動車道・鈴鹿インターチェンジ近くの本線上に停車していた車列に、後方から走ってきた大型トレーラーが追突。4台が巻き込まれる多重衝突となった。事故によって壊れたクルマからガソリンなどが漏れ出し、激しく炎上。逃げ遅れた5人が焼死、6人が重軽傷を負った。

事故を起こしたトレーラーの運転手は8月7日から連続3日間、大阪と茨城県日立市を往復する勤務に就いており、事故当時は過労による居眠りをしており、衝突の衝撃が起きるまで全く意識のない状態だったという。

当初は運転手の過労が事故原因とされたが、その背景には過酷な勤務を命じていた運送会社の責任もあると判断。家宅捜索で押収した資料を分析した結果、この会社が恒常的に長距離運転の必要な連続勤務を命じ、運転者に対する休憩の指導を怠ってきたことがわかった。

このために三重県警では「勤務を命じた運行管理者や、過酷な勤務を行うことを前提に車両のやりくりをしてきた配車担当者にも責任の一端がある」と断定。この2人を道交法違反(過労運転容認)容疑で逮捕するとともに、法人としての運送会社も同容疑で書類送検する方針を固めた。

通常、このような事件の場合は運送会社の担当者自身も書類送検程度で留めるが、今回の事件では被害者も多く、勤務状況があまりに過酷であったことが判明したことから関係者の逮捕に踏み切ったようだ。

《石田真一》

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