兵庫県警は8日、24時間いつでも出動できる態勢を原則とするフロントラインパトロール隊(通称:FP隊)をテストケースとして設置することを明らかにした。9時間勤務の3交替制とし、深夜帯を中心に地域課の補助を行う。
これは今年3月、神戸市の大学院生が暴力団員に拉致され、集団暴行の末に殺害された事件を教訓にしている。事件が発生した当時、現場に一番近い交番に勤務していた2人の警察官は仮眠時間にあたり、結果として出動要請に従うことができなかった。警官の到着が遅れたことで、大学院生が連れ去られる隙を与えることになり、この部分の改善が強く求められてきた。
FP隊はテストケースとして今月11日、明石警察署内に36人体制で発足するもの。1班あたり6人で6班を構成し、3交替でパトカーによる巡回を常時行うというもの。地域課員が仮眠を取る深夜帯に最大投入し、事件発生の一報を受けた場合に現場へパトカーで急行する。警察本部が有する機動捜査隊のような位置づけだが、それを所轄署として運用する。
県警によると同様のシステムは静岡、福岡の両県警も導入しており、今回が全国で3例目。とりあえず半年間実際に運用し、効果が発揮できるようであれば今後全署に拡大していくという。