アメリカGPでポールポジションを獲得し、レース中もリードを守りつづけたフェラーリのミハエル・シューマッハがチェッカーフラッグの直前にスピードを緩め、それまで2位だったルーベンス・バリケロに勝利をプレゼントした。
これは5月のオーストリアGPでチームオーダーによりシューマッハが勝利を譲ったバリケロに恩返しをしたもの。この結果により、バリケロのドライバーズ・ランキング2位が文句なしに確定した。
レース後シューマッハは「チームにバリケロを前に行かせて勝ちを譲ってもいいかと聞いたら、ノーと言われたよ。予想外の出来事だったし、チームとしてはやってほしくなかったみたいだけど、結果はこうなった。僕はいい気分だよ。フェラーリは素晴らしいチームで、お互いのことをよく理解している。時には自分を犠牲にしなければならないこともあるが、それは必ず報われる。今日がその日だったんだ」とコメント。
ショーじみたことをせずに最後まで正々堂々と戦うべきでは、と問われると「人生は正直で公平であるべきだと思う。だから僕はそうしたかったんだ」と答えた。
一方5勝目を挙げたバリケロは「予期していなかったよ。最後のコーナーを曲がって、何の指示もなかったからどうしたらいいかわからなかった。ミハエルは平等にフィニッシュしたかったんだと思う。これでゼロ・ゼロだね。僕がオーストリアを勝ち、ミハエルがインディを勝った。そういうことだよ。今日は努力が報われたわけだから、とってもハッピーだよ」とコメントした。
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