悪質な自動車税滞納者を追跡するアルバイト---プライバシー確保できるの?

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滋賀県は25日、未済となっている自動車税の円滑納入と、緊急雇用対策を両立させる目的で、滞納者の追跡調査を行う専門スタッフを15人程度雇用することを明らかにした。

滋賀県では多額の財政不足に悩んでおり、その解消策として未済となっている自動車税の円滑回収を目標としている。2001年度決算時点での未済総額は9億6500万円にも達し、これを財源に当てたいとう考えを持っている。

県では滞納者に督促状を送付し、自動車税の納付を呼びかけを繰り返しているが、悪質な滞納者にとっては正に馬耳東風。無届けで転居し、行方がわからなくなる者も多い。

このため、緊急雇用対策と連動させる形で、こうした悪質滞納者の追跡調査を行う専門スタッフを15人程度、県の臨時職員として新たに雇用するという方針を打ち出した。滞納者の連絡先を調査し、データベースに入力する原票を作成するまでを仕事の範囲としている。

問題は、税務というプライバシーに関わる部分を臨時職員の立場で行わせるということ。税の支払いを逃れようと姿を消した人の居場所を特定するという作業は、プライバシー保護の観点から同意できないとする声も県庁内部から上がっている。

仮に滞納者の居場所を特定できたとして、その情報は他の金融機関(特に消費者金融)にとっても垂涎のデータとなる。調査した臨時職員が知り得た情報を業者に横流しする事態が全く無いとも言えず、こうしたトラブルが発覚した際の罰則を県職員並みとするのかなど、調整すべき点が残っている。

県としては財政確保のため、そして雇用対策のために早急に着手したいという考えのようだが、現時点でもこれだけの問題が……。

《石田真一》

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