ちょっと変わったトラック泥棒---真の目的はクルマでなかった

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大阪府警は10日、食料を奪う目的で大阪市中央卸売市場などに駐車されていたトラックを盗んだとして、54歳の男を窃盗容疑で逮捕していたことを明らかにした。大阪では今年に入ってから40件近い同様の被害が報告されているという。

警察の調べによると、この男は今年5月11日早朝、大阪市中央卸売市場の東部市場付近の路上に置かれていた軽トラックを盗んだ疑い。このトラックには市場で仕入れた10万円相当の食材が積まれていたが、男の狙った獲物はトラックそのものではなく、この食料だった。

男は昨年末に勤務していた会社をリストラで解雇されて以後、食べるものに事欠く生活だった。そこで思いついたのが市場近くに止められた食料品満載のトラックを盗むことだったという。市場関係者は仲間意識が強く、まさかこんなところで盗難が起きるとは夢にも思っていないので防犯意識が欠けており、トラックもキーが付いたまま置かれることが多いのを以前の勤務経験から思い出し、盗みを続けていた。

男は盗んだトラックを住居代わりとしながら、荷室の食料が尽きるまで利用を続け、食料が無くなると適当な場所にトラックを放置し、次の獲物を探すという行為を繰り返していた。

逮捕された男は取調べに対し「生もの以外なら1週間程度は持つ。生活に困ってやっただけ」と供述し、ほとんど反省していない様子とのこと。しかし、男が余罪として供述したのは3件に留まっているのに対し、実際の被害は40件近くに及んでいることから、他の路上生活者にこの男が犯行の手順をアドバイスした可能性も高いとして、さらに事情を聞く方針。

《石田真一》

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