ドリフトするヤツより、むしろ期待族の粗暴化が問題---深夜通行止めの背景

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沖縄県警は9日、「ドリフト族による騒音がうるさい」という内容の苦情の多発している浦添市の西洲商業団地付近の道路を夜間通行止めにすることを明らかにした。10日の午後10時から施行され、商業団地関係者以外の車両通行は原則禁止となる。

浦添市の西洲商業団地付近の道路は夜間の交通量が少なく、大型車による物資搬入などを考慮したために各交差点が広めに設計されている。このことに目をつけたのがドリフト族で、連日連夜のように出没しては暴走を繰り広げているという。警察に対しては商業団地の関係者から「音がうるさい」を筆頭に「トラックの通行が阻害され、文句を言った運転手がギャラリーに殴られた」や、「ゴミのポイ捨てがひどい」、「タイムを計っているから他車は入るなと怒られた」などのクレームが殺到し、今年だけですでに200件近い110番通報が殺到している。

この団地を管轄とする浦添署のパトカーが通報後にパトロールを行う際には、ドリフト族は姿を消してしまうが、パトカーがいなくなれば再び暴走を繰り返すなど、イタチごっこ状態が続いていた。

このため、県警では商業団地内を夜間車両通行止めにすることを検討してきたが、夏休みシーズン到来前に実施することを決めた。10日以降は通行許可証を持たないクルマは原則として検挙可能となる。

沖縄では暴走族やドリフト族そのものというより、その暴走ぶりを見物しに訪れるギャラリー(期待族)の粗暴化の方が問題視されている。今回の一件で警察に寄せられた苦情も、ドリフト族そのものというより、ギャラリーのマナーの悪さに関するものが群を抜いているという。暴走族への取り締まりを行おうとしたパトカーが、こうしたギャラリーの襲撃を受けて破壊されるという他の都道府県には見られない事件も相次いでおり、警察では「完全締め出しだけでは甘いと認識している。追って他の対策も考える」とコメントしている。

《石田真一》

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