埼玉県警は3日、職員が自ら職務上の目標を設定し、その到達度を本人と上司が客観判断するという「実績評定」を導入することを明らかにした。昇進はもちろん、ボーナスに直接の影響を与えるもので、希望した場合には直属上司の判定内容も本人に開示される。
これは警察本部の部課長や所轄署の署長を除き、警視までの全職員に導入される。新年度の開始に合わせて職務と階級に応じて設定された項目の中から目標を選び、その達成度を年度末(2月)に本人と、直属の上司2名が客観評価するというもの。評価は「達成できたと思う」の“A”から、「達成できなかった」の“E”まで5段階となっているという。
この評価は昇進やボーナスに直接影響を与えるものだが、従来は直属上司1名で行ってきた判断を2名にすることで公平性を確保することや、本人を加えた形で仕事の達成度を判断させることで、的確かつ客観的な人事評定が実現されるとしている。
ただ、この努力目標の設定が、今でも存在すると噂される「交通違反摘発のノルマ」を加速させるのではないかという心配が残る。職務と階級に応じて設定される目標の詳細は明らかにされていないが、もしその中に「検挙数を増加させる」というものがあるとしたなら、納得しがたい取締りが増加する可能性も。このあたりの透明性も確保して欲しい。