滋賀県警は、かつて交際していた女性に対して「思い知らせてやる」という手紙を送りつけて脅迫した容疑で住所不定無職の28歳男性を逮捕したが、この男がPHS(簡易型携帯電話)の位置情報通報専用端末をこの女性のクルマに取り付け、行動監視していたことを明らかにした。
この容疑者は昨年末、女性の所有するクルマの下部にNTTドコモの位置情報通報端末『P-doco?(ピー・ドコ)』を磁石を使って取り付け、行動を監視していた疑いが持たれている。女性がカーステレオに雑音が混じるようになったことを不審に思い、ディーラーにクルマを持ち込んでチェックしたところ、後部付近からこの端末が発見されたという。
位置情報端末の取り付け自体を摘発する法律はなく、警察もこの女性に対して「ストーカーには気をつけるように」といったアドバイスしかできなかったが、4月に脅迫まがいの手紙を2回に渡って送りつけてきたことから、この女性と昨年末まで交際していた男性の存在が浮上し、脅迫容疑で検挙した。そしてその取調べの過程で、この容疑者が女性のクルマに位置情報端末を取り付けていたことを自白、事件が明るみに出た。
位置情報端末を盗難防止に使い、それによって盗難車が発見されて逮捕に至ったというケースは過去にもあったが、ストーカーに利用されていたと知ったNTTドコモは「目的外使用もいいところで、大変困惑している。今後は契約時に使用条件をチェックしたい」というコメントを発表している。