日本ではVWが先鞭を付け、BMWが進化させてるかのようなエコとパワーを両立した直噴ダウンサイジングターボエンジン。
中国で4月23日、開幕した北京モーターショー12(オートチャイナ12)。フォードモーターのブースでは、一挙4車種の新型SUVの中国市場投入が告げられた。
フォードモーターは28日、新型『エクスプローラー』の2013年モデルに、新グレードの「スポーツ」を設定すると発表した。実車は4月4日、米国で開幕するニューヨークモーターショー12で披露される。
フォード・ジャパン・リミテッドは、今年2月25日から発売を開始した新型『エクスプローラーXLTエコブースト』の受注が予想を大幅に上回り、1か月で年間供給予定量に達したことを発表した。
フォードモーターのSUVで、日本市場にも2011年5月に導入された新型『エクスプローラー』。同車に、高性能バージョンが追加される可能性が出てきた。
今にして思えば、新型『エクスプローラー』がモノコックボディや横置きパワートレインといった改革に討って出たのは、このエコブーストを迎え入れるためだったのかもしれない。
2tを超えるボディに2.0リットルエンジンで大丈夫かという懸念はもはや最初からない。それができるのが今の時代のダウンサイジングターボなのだ。
このクルマ、若者達に人気がある。といっても筆者の周りの話だが、どこに惹かれるのかを聞くと「あの大きさと迫力の顔」だそうで…。日欧にはないアメリカ独特の雄大な個性と雰囲気を若者が感じ取っているのだ。
モノコックボディや、横置きFFベースのパワートレーンを採用して登場した新型『エクスプローラー』は、意外性の塊と言ってもいい存在。「アメリカンSUVの大胆な変革」を強く印象づける。
当初、4代目『エクスプローラー』に、2リッターの直噴ターボエンジンを積むプランがあることを知ったときには、いくらダウンサイジング志向の世の中にあっても、ちょっと行き過ぎのような気がした。
低燃費と走りのパフォーマンスのバランスをとる“ダウンサイジング”化されたのが“エコブースト”仕様。動力性能をチェックすると0-400m加速の雰囲気は16秒台と3.5リッター仕様と殆ど変わらない。
燃費なんか気にして『エクスプローラー』が乗れるかと思う。でかいわ、左ハンドルだわで日本市場につきつける反逆の香りぷんぷんなのだ。
2リットル4気筒とは思えない加速力で、コンセプトどおりのトルクの分厚さを感じる。
スーッとなめらかな加速フィール、静かで穏やかな室内空間。それでいて、アメリカンSUVならではのタフさが強固なボディのカタマリ感となって伝わってくる。
アクセルを踏み込んだ瞬間から普通に力強い。停止状態からの出だしではこれまでのV6 4.0リットルにはかなわないだろうと想像していたが、この直4 2.0リットルは予想を上回る力感を持っていた。