1960年代の終わりから70年代にかけて、日本のクルマがみるみる近代化し始めた頃に登場したのがBピラーも窓枠ももたない“ハードトップ”。その第一号車が、トヨペット(当時)『コロナ』だった。
ひところの日本車では4ドアハードトップが流行りだったが、その文脈をさらにスタイリッシュ化したのが、似たもの同士でもあったこの5車だった。
クルマとしての格好よさ以上に、“鑑賞”していたくなる美しさ、個性が忘れられないアートなクルマたち。前回のクーペに続き、今回は比較的最近のセダン、ハッチバックなどを思いのまま選んでみた。
『コロナ』にはかつて『カリーナ』(まぎらわしい)の車名で、また現在は『アベンシス』の車名で欧州仕様がある。後継の『プレミオ/アリオン』は日本市場に最適サイズと言うことで5ナンバーサイズとなった。事実、日本市場専用車である。ならば欧州仕様はないのか。
『コロナ』の後継車『プレミオ』と、『カリーナ』の後継である『アリオン』は、エンジンやサスペンションなどの機械部分はまったく共通。スタイリング的には、ゆったりとした面を用いて高級感を出したプレミオは本社第2デザイン室の案が、シャープなエッジなどでスポーティな演出のアリオンはトヨタグループの開発会社、テクノアートリサーチの案が採用された。
『コロナ』と『カリーナ』はもともと兄弟車だったものの、カリーナは「足のいいヤツ」として差別化されてきた。『アリオン』はいちおうカリーナ後継車だが、エンジニアリング的にはコロナ後継の『プレミオ』と双子車になってしまった。
トヨタ自動車は新型ミディアムセダンの『プレミオ』、『アリオン』を本日発表、発売した。プレミオはトヨペット店あつかい、アリオンはトヨタ店あつかいの双子車。またプレミオは『コロナプレミオ』の、アリオンは『カリーナ』それぞれ後継にあたるが、車名が変わったようにその外観、内容とも一新されている。
トヨタは12月21日『ヴィッツ』をマイナーチェンジ、12月25日に『コロナ・プレミオ』、『カリーナ』の後継モデルの『プレミオ』、『アリオン』を発売する。これら3車は今年の販売戦線用に投入するのではなく、来年の新年のスタートダッシュをスムーズに行う狙いがある。