新型カムリと皆既日食。幻想的な光景だった。ロサンゼルス南部、トーランスの北米トヨタ自動車オフィスで新型『カムリ』を借り出す。3000マイル超のロングツーリングはここから始まった。ロサンゼルス・ダウンタウン界隈のハイウェイで早引けの人々による金曜渋滞に捕まる。州際高速道路5号線でロサンゼルスからサンフランシスコへ向かう途中、日暮れを迎えた。空力処理とデザイン性の両立にデザイナー、モデラーが腐心した痕跡がうかがえた。ロサンゼルス近郊の住宅地にて。カムリはこういう景観には大変よく溶け込んだ。一見エキセントリック、その実シックなデザインで、意外にワル目立ちしない。皆既日食ハンティングのため、ワイオミング州へ1000 miles a dayの旅へ。カリフォルニア東部、シェラネヴァダ山脈の山中にて。ネヴァダ州に入ると山容がガラリと変わる。州による景観の違いは誰の目にもハッキリとわかるものだった。州際高速道路80号線。南北方向の合衆国高速道路95号線との重複区間。ちなみに95号線を北に向かうとアイダホ州の皆既日食帯に到達する。とにかく広いネヴァダ州。ユタ州の山の形。ネヴァダと異なり、地層が暴露している部分が多い。ボンネビル・ソルトフラッツに浮かぶ岩島。蜃気楼のため両端がサツマイモのように見える。ソルトフラッツをバックに記念撮影。ユタ州の地方道にて。ローカル色豊かな景観であった。1077.8マイルを1日で走破。新型カムリのロングツーリングのポテンシャルは非常に高いものだった。ワイオミング州、ボイセンダム湖付近にて日食当日の日の出を迎えた。至る所に西部劇さながらの岩山がみられるワイオミングの風景。小高い丘の上に日食観望のための場所を取った。食分約0.7。太陽の光が如実に弱まり、直射日光を浴びても影の部分までハッキリ写真に写るようになっている。皆既日食直前の太陽。減光フィルターを通さなければ三日月状態であることすらわからない。太陽光の強力さを実感。皆既日食中の地平線。上空は暗いが、50kmほど先は部分日食の日が照りつけており、その光で夕焼けのような色になる。ワイオミングの山をバックに記念撮影。巨大な噴火痕として知られるイエローストーン方面に向かうルートにて。新型カムリのサイドビュー。クーペライクなフォルムに見せているが、キャビン長はミディアムセダンとして十分なレベルであることが見て取れる。イエローストーン南方のグランドティトン山系をバックに記念撮影。アイダホ/ワイオミング州境にて。州をまたぐと文化が違う。それを感じながら行くのもアメリカの放浪旅の面白いところである。真っ直ぐな道ばかりではない。アメリカにもワインディングロードはしっかりある。アイダホのこの山岳路は中高速コーナーが多かったが、制限速度は65マイル時(約105km/h)なので結構しっかりコントロールする必要があった。ネヴァダ州にて、雲をボディに映す新型カムリ。アメリカの高速道路は都市名の案内は不足気味。指標として想像以上に重要かつ有用だったのは東西南北。旅の最後、ロサンゼルスに向けて真夜中のハイウェイをひた走った。総走行距離3192.5マイル(5137.8km)。ボンネビル・ソルトフラッツの碑文。ワイオミングの岩山にて。セダン=都市走行のイメージが強いが、カムリはこの風景の中に置いてもまったく違和感がなかった。ワイオミングの風景。ウェスタンファンなら嬉しくなるところだろう。実際、カウボーイが昔ながらの姿で仕事をしている。食分0.4くらいまで欠けた太陽。このあたりから太陽光線の弱まりが如実に体感できるようになる。食分0.9に近づいた状態。気温がやや下がり、風が吹く。ただし、今回は皆既帯の幅が100km程度という比較的規模の小さい皆既日食だったため、2009年の日本での皆既日食(荒天のためコロナは限られた地でしか見ることができなかった)の時のようにごうごうと風が吹くほどではなかった。フラットダートを走ってみた。未舗装路でも乗り心地は非常に良かった。新型カムリのフロントエンド。皆既日食寸前のピンホール・ダイヤモンドリング。2017年北米皆既日食。