ウインドリバーは、ニデックの水冷式冷却システムに「Wind River Linux」が採用されたと発表した。
近年、ICTサービスを支えるデータセンターでは、CPUやGPU、ASICなどの高性能化に伴う熱負荷の増大により、水冷システムへのニーズが高まっている。特に急速に普及しているAIサーバーは、画像処理半導体(GPU)で大量のデータを処理する必要があるため、消費電力や発熱量が多くなる。そのため、データセンターの熱対策は、従来のファンによる空冷式の冷却システムに代わり、より高い冷却能力を持ち消費電力の削減を実現する水冷システムが今後主流になることが見込まれている。
ニデックの水冷システムの中心にあるCDU(Coolant Distribution Unit)は、冷却液を各サーバーへ送り出し、プロセッサーの冷却により温められて戻ってきた冷却液を熱交換器で再び冷却し送り出す機能を持つ機器で、サーバーの稼働状態や冷却液の温度変化を常時監視し、送り出す冷却液の流量等を制御することにより、常にサーバーを過熱から守り最大の計算パフォーマンスを引き出すためのデータセンターの重要な機能を担っている。
Wind River Linuxは、このニデックの水冷システムの監視・操作を実現する制御システムのOSとして利用されている。