日立アステモは10月20日、高精度で高分解能な全周囲センシングシステムとして、マルチカメラ3Dセンシングによる360度ステレオビジョンのプロトタイプを開発したと発表した。
現在の自動運転システムの多くは、利用範囲が高速道路に限定されているが、一般道でも利用できるようにするためには、歩行者や自転車をはじめ、認識を要する対象が複雑に混在する一般道特有の状況にて、車両全周囲の道路環境を高精度に認識することが必要となる。しかし、測距精度が高いレーダーやLiDARはコスト上の課題があり、コスト面で優位な全周囲カメラシステムも精度上の課題があった。
マルチカメラ3Dセンシングによる360度ステレオビジョンでは、日立アステモが得意とするステレオカメラ技術の測距機能を活用しつつ、日立製作所の研究開発グループとの共同開発を通じてカメラ配置に自由度を持たせた。従来形態の同画角でほぼ平行する2個のカメラを一体化したモジュールではなく、異画角、非平行なカメラの組み合わせでステレオ視ができる10個前後の複数カメラを用い、3次元立体視をしている。このマルチカメラ3Dセンシングを1つの車載カメラシステムとして統合させることで、コスト優位性と高精度・高分解能を両立させた。