CASEや次世代カーの話で「SDC:Software Defined Car」という言葉を耳にする。ソフトウェアによって定義される車、あるいは「車の再発明」とも言われる。車両というハードウェア中心発展してきた業界には理解しにくい概念でもある。
8月末に開催された「オートモーティブワールド秋 2022」の専門セミナーで、「SDC(SDV:Software Defined Vehicleとも表現されることがある)とは」という疑問の答えとなる講演(基調講演「新しいモビリティの価値観」)が行われた。登壇者はソニーでAI・ロボティクスを担当する川西泉氏だ。
◆ロボット、ドローン、自動車に共通するもの
川西氏が所属するのはAI・ロボティクスを担当するビジネスグループ。プロダクツでいえば「aibo(アイボ)」「poiq(ポイック)」「Airpeak(エアピーク)」そして『VISION-S(ビジョン・エス)』を開発している部署だ。アイボは自律歩行するロボット。ポイックは自分から発話できるAIエージェント(試作開発中)。エアピークは空撮、点検、測量、輸送などに応用できるドローン。VISION-Sはソニーが販売する予定のEVだ。
共通しているのは「自律」というキーワード。アイボもドローンも人の操作がなくても自律的に動作することが可能だ。