世界企業の1-3月期損益改善額…BMW3位、VW9位、テスラ14位[新聞ウォッチ]

BMWグループ、ロールスロイス・ゴースト
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新型コロナの感染拡大に半導体不足、さらにロシアのウクライナ侵攻など企業の経営環境が激変する中、世界の上場企業を対象に2022年1~3月期の最終損益を前年同期と比べると、自動車大手では高級車シフトが奏功した独BMWが損益改善額の総合ランキングで3位、純利益額でも前年の45位から7位に躍進したという。

きょうの日経が「Bizランキング」の面で取り上げているが、企業財務のデータベースのQUICK・ファクトセットを使用、22年1~3月期の決算を発表済みで、前年同期と比較できる約1万3600社を独自で調査したそうだ。

それによると、損益改善額のトップはサウジアラビアの国営石油会社サウジアラムコで、前年同期に首位だった米アップルを抜いて純利益は378億ドルと、前年同期に比べ168億ドルの増加。ウクライナ侵攻を受けて欧州各国が、中東などからの輸入を拡大。原油高と重なって利益が大きく膨らんだとみられる。

また、損益改善額で3位に躍進したBMWは、半導体不足が生産のボトルネックになったものの、好採算車種の優先的な生産で超高級車ブランド「ロールスロイス」の販売が伸び、純利益は79億ドルの増加。9位の独フォルクスワーゲン(VW)も高級車が好調で純利益が約2倍の34億ドルの増加となったほか、ツイッター買収や「10%の人員削減」を従業員にメールで送って波紋を広げたイーロン・マスクCEOが率いる米テスラが28億ドル増で14位に入った。

一方、米フォード・モーターは損益悪化額ランキングで7位。最終損益は63億ドル減り、31億ドルの赤字に転落した。「出資するEVメーカー、米リヴィアン・オートモーティブ株の投資評価損が響いた」(日経)とも伝えている。

日経が掲載した22年1~3月期決算の損益改善額と最終損益の悪化額の上位15社および、純利益額ベスト10社の中で、日本企業は悪化額トップのソフトバンクグループの1社のみというのは、なんとも情けない。

2022年6月6日付

●内閣支持高水準64%、本社世論調査(読売・1面)

●蓄電池・半導体人材育成、産学官組織、関西・東北に拠点(読売・2面)

●社説、高齢者と運転、安全な移動を支える社会に(読売・3面)

●「テスラ総人員は増」マスク氏投稿「10%削減」報道後(読売・4面)

●世界企業の1~3月損益改善額、BMW、供給制約でも躍進(朝日・10面)


《福田俊之》

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