西濃運輸、首都圏-北九州間でフェリーを定期利用

東京九州フェリー「はまゆう」
  • 東京九州フェリー「はまゆう」
  • 大量輸送が可能なフェリーの車両甲板
  • 出発地で待機するマリネックスのシャーシ

商業物流サービス事業を行なう西濃運輸が、長距離フェリーを活用した首都圏~北九州間の輸送を開始した。2021年7月に横須賀~新門司間に新航路を開設した東京九州フェリー(SHKライングループ)を利用する。

今回の輸送は、西濃運輸のBCP(事業継続計画)の観点から、関東から九州への混載輸送に関してフェリーを定期的に利用する。陸路で災害が発生した場合でも、物流を止めることなく荷物を顧客に届けることが期待される。

今回の輸送は、東京九州フェリーの物流部門であるマリネックスの車両を利用し、1日1台、月曜日から金曜日までの週5台で開始された。新門司港到着後は、佐賀県鳥栖市内にある西濃運輸のターミナルまで持ち込み、九州全域に3日目配達を行なうスケジュールだ。また、フェリーでの輸送部分は無人車航送(シャーシ輸送)となる。

行程の約90%が海上輸送で、西濃運輸横浜南支店を出発地として横須賀港まで陸送約15km、横須賀港から新門司港までフェリー輸送約980km、新門司港から九州西濃運輸鳥栖北支店まで陸送約95kmとなる。1日目深夜に出発、3日目午前には到着する。3日目配達は鉄道輸送と同じ。

出発地で待機するマリネックスのシャーシ出発地で待機するマリネックスのシャーシ

フェリー輸送のメリット
(1)大容量のスピード輸送……就航船の車両積載台数は貨物車約154台、横須賀~新門司間は980kmを約21時間で運航
(2)安全・安定の輸送品質……就航船には船体の揺れを抑えるフィンスタビライザー(両弦水面下に装備された水平翼)がある。冷凍車電力供給の設備もある。
(3)労働力の省力化……フェリーを利用することでドライバーの休息時間が確保できる。トレーラ輸送では無人化も可能だ。

《高木啓》

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