ワイヤレス充電 vs プラグイン充電:安全性、信頼性、費用対効果は

ワイヤレス充電 vs プラグイン充電:安全性、信頼性、費用対効果は
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世界の車両において、総保有コスト(TCO)の低減は重要なテーマです。問題は、車両の電動化によりTCOがどうなるかです。そして、プラグイン充電と比べ、ワイヤレス充電技術にはどのような利点があるのでしょうか。

様々な効率化を実現

ワイヤレス充電技術のグローバル企業、WiTricityの今年初めのレポートによると、同社の磁気共鳴方式のワイヤレス充電技術を利用することにより、ラストマイル配送の電気自動車(EV)の車両総保有コストは半分近くに下がる可能性があるとのことです。

現在のほとんどの車両は他の動力と併用しており完全な電動車両ではないため、この主張はまだ理論上の可能性にすぎません。実際、車両が完全に電動化されるまで、ワイヤレス充電の資源やコスト面でのメリットが完全に明確にはならないでしょう。

しかし、ワイヤレス充電がもたらす効率化の可能性は検討に値します。現在、電気料金はEVの大きなコスト要因になっています。様々な違いはあるものの、DC急速充電を提供するほとんどの場所では、デマンド料金を事業者に支払う必要があります。電力事業者は一定の電力供給を維持するために、顧客に追加料金を請求しているのです。

このような現状から、ワイヤレス充電はその資源、コスト、運用面の効率に対して注目されています。ワイヤレス充電の大きなメリットの1つは、充電が車両の通常の利用の流れを妨げないことです。充電のために車両を停止する必要があっても、プラグイン充電の場合のようにワークフローを妨げることはないのです。例えば、物流車両の場合、ワイヤレス充電機器をドックに設置していれば、車両に荷物を積んでいる間に充電することができ、車両の利用を妨げることはありません。

よって、ワイヤレス充電には2つの大きなメリットがあると考えます。1つは、充電スピードは遅いものの、車両のワークフローを妨げないことでこれは相殺されます。同時にバッテリーに与えるストレスも低減され、バッテリーの寿命を延ばすことになります。2つ目は、車両の利用を止めることなく並行して充電が行われるため、短時間で充電する必要がなくなり、デマンド料金を支払う必要がなくなります。


《フロスト・アンド・サリバン・ジャパン株式会社》

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