京成のミステリーツアー、新型車がまだ行ってない駅&もう使ってないホームに

京成線ミステリーツアー:宗吾車両基地発
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  • 京成線ミステリーツアー:3100形車両が芝山鉄道に入線。
  • 京成線ミステリーツアー:3100形車両が芝山鉄道に入線。
  • 京成線ミステリーツアー:東成田駅着
  • 京成線ミステリーツアー:東成田駅、旧スカイライナー用コンコース
  • 京成線ミステリーツアー:東成田駅、旧スカイライナー用コンコース
  • 京成線ミステリーツアー:東成田駅、旧スカイライナー用コンコース

ミステリートレインの行き先はまだ行ったことのない駅、ミステリツアーの乗客は、今は使われていない古いホームに降り立った。京成グループの京成トラベルサービスは、京成電鉄の後援で5月22日に「京成線ミステリーツアー」を開催した。

ツアーは、使用する車両も行程も事前に公表せず、“当日のお楽しみ”と案内して参加者を募集した。出発地は宗吾車両基地(千葉県酒々井町)、終着地は八千代台駅(千葉県八千代市)で、ツアーの所要時間は約2時間30分、とだけ参加者は知らされている。

出発地が駅ではなく車庫というのは珍しいケースだ。宗吾車両基地には初代「AE」型スカイライナーなど、古い車両が数両保存されており、ツアー参加者はミステリートレインの発車まで見学できる。ツアー用に用意された車両は、主に成田スカイアクセス線用の車両として運行されている新型の3100形車両だった。

ツアーの参加人数は170名、子連れファミリーや鉄道ファンのグループ。参加応募者数は366名で、倍率2.2倍の抽選となった。

何人かの参加者に行き先の予想を尋ねたところ「わからない」が多かった。あまり深く考えずにドキドキを楽しんでいるようだ。車両が3100形とわかった時点で、“大きいお友だち”の中には、「まだ3100形が走っていないところが目的地か」と推理する人も。車両の予想は、大人がスカイライナー、子どもが新型で遭遇する機会の少ない3100形と予想する人が多かった。

ミステリートレインは10時10分に動き出した。宗吾参道駅に入線すると、ここが最初にコースの可能性が分岐する地点で、成田方面へ行くか、上野方面へ行くか? ミステリートレインは成田方面へ。京成成田駅を過ぎると2回目の分岐で、駒井野信号場から東成田線東成田駅方面へ行くか、本線を成田空港駅方面へ行くか? ミステリートレインは東成田駅方面へ。東成田駅が3回目のコース分岐ポイントとなり、京成線の終点の東成田で折り返すか、芝山鉄道線に乗り入れるか。列車は芝山鉄道に直通した。

3100形車両が芝山鉄道線および芝山町市内を営業運転するのは、このツアーが初めてだ。10時34分に芝山千代田駅着。ホームから成田空港の飛行機が見える。駅名標の写真を撮るぐらいの時間で折り返し、10時34分に芝山千代田駅を離れる。

東成田駅の手前で車内アナウンス。「東成田駅で下車して、現在使用されておらず通常では立ち入りの出来ない旧スカイライナー専用ホームを見学」という企画だった。東成田駅に10時37分、普段の営業運転で使用されている1番線に到着した。

東成田駅は1978年に成田空港駅として開業、1991年までは東京都心アクセスのスカイライナーが発着していた。1991年に、駒井野信号場で分岐して空港ターミナルビル直下の新・成田空港駅に至る新線が本線として開業、従来の成田空港駅は東成田駅に改称し、駒井野信号場~東成田駅間は東成田線となった。旧・成田空港駅は普通列車用ホーム(3・4番線=現1・2番線)とスカイライナー用ホーム(3・4番線)があったが、スカイライナー用ホームは新線切り替えと同時に使用を停止した。

ところが東成田駅の旧スカイライナー用ホームは、駅名標や壁面の広告、ホームのベンチなどが、当時のまま残っているのだ。駅名は「成田空港」、広告・案内表示の内容は80年代後期のものだ。ホーム上のコンコースは資材置き場になっており、当時の改札口の駅員ブースや、時刻表が無造作に置かれていた。なぜ保存したのか理由を関係者に尋ねたところ「あえて壊したり改装したりする理由がなかったから」と、脱力する答えが返ってきた。今は、その気で保存しているという。なおレールは光っており、回送や留置に使われているようだ。

ミステリートレインはいったん成田駅に引き上げて折り返し、東成田駅旧スカイライナー用ホーム2番線に入線した。11時38分東成田駅発、12時14分に八千代台駅に到着して、ミステリーツアーは終了となった。

> 京成電鉄ミステリーツアー[フォトレポート]

《高木啓》

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