「Shared Mobility Rocks(シェアード・モビリティ・ロックス)」とは
2021年3月3日から4日にかけての24時間、「Shared Mobility Rocks 2021(シェアード・モビリティ・ロックス 2021)」というオンラインイベントが開催された。
この一風変わった名称のオンラインイベントは、シェアリングモビリティに関する将来動向や現状課題などについて、シェアリングモビリティ業界に所属す"その道の第一人者"である面々で議論や情報交換をしたりする、いわゆるビジネスマッチング型のオンライン・シンポジウムである。
同イベントは2019年3月にベルギーで初開催され、イベント名にもその名を冠している通り、ロック・ミュージックの精神や雰囲気をまとったテイストのイベントになっている。
ロック・ミュージックは1950年代にアメリカ合衆国で黒人音楽であるロックンロールやブルース、カントリーミュージックをルーツとして誕生した。1960年代以降はビートルズやローリング・ストーンズなどといった世界的バンド/グループの登場によって、イギリスやアメリカ合衆国を中心に世界中に拡がり、それに伴ってロック・ミュージック自体も幅広く多様な様式へと展開していった。「ロック」という言葉には「主流の文化的慣習に反する文化・反骨精神」といった意味合いも含まれるため、「これまでのモビリティの在り方に対して一石を投じる、変革を巻き起こす」といった主催者の気概が、この「ロック」という言葉を冠したイベント名の命名につながったのではないかと筆者は推測する。
主催者について
同イベントはベルギーの非営利団体で持続可能なシェアリングモビリティの普及・促進活動を行うAutodelen.netと、同じくベルギーに本社を置き、1975年からタクシー事業を行い、近年は持続可能なシェアリングエコノミーサービスの開発に注力しているTaxistop(タクシーストップ)社によって企画・運営されている。
スポンサーは欧州連合の地域開発政策および投資誘致政策である「Interreg」の、北海地域担当「SHARE-North」と欧州北西部地域担当「eHubs」、そしてベルギー第3の都市であるゲント市がメインスポンサーとなっている。
Autodelen.netとTaxistopの両者が目指すのは、各種交通サービスへのアクセスを容易にし、持続可能なものにし、より住みやすい都市や地域に貢献することだという。そして彼ら/彼女らは、シェアリングモビリティがその目標達成に関して重要な役割を担うとする。そのため「Shared Mobility Rocks」を企画・運営することで、世界中にインスピレーションを与え、学び、影響を与えることが可能だ考えているという。