【車内空間での体験価値の大進化】自動車DXの萌芽

【車内空間での体験価値の大進化】自動車DXの萌芽
  • 【車内空間での体験価値の大進化】自動車DXの萌芽
  • DXを実現するための技術領域

1.DXがトランスフォームするもの

2021年の日経新聞はDX特集で幕を開けた。コロナ禍により一気に進んだデジタル化の変革を、さらに進めようとの機運が高まってる。もともと遅れていた日本のデジタル化は、グローバルでの競争に向けて待ったなしの状況に追い込まれている。DXが声高に叫ばれることは、今の日本の必然であり必要なことだと思われる。

DXは流行語としてバズワード化しつつある側面もある一方、これまでのIT関連の用語の総決算とも位置づけられる。というのも過去10年、IoT、クラウド、AIなどの用語が流行し注目されてきたが、まずIoTによる変化を思い切って要約すると、多くの機器がセンシング機能を持ちインターネットにつながり、豊富なデータを利用できるようになるという動きだ。クラウドによる変化とは、ときにはビッグデータと呼ばれるIoTのデータをサーバー上に蓄積し、適時適切に利用できるようになるという動きだ。AIによる変化とは、サーバー等に蓄積されたデータを活用して高度な判断を下せるようになるという動きだ。これら3つの用語を大雑把に言い換えれば、データ収集、データ管理、データ分析の高度化と言え、データ活用の、重要だが一つひとつの側面に焦点を当てた表現だ。一方でDXとは、これらのデータ活用技術を用いることで起きる、業務や事業、さらには産業全体の変革を表す。その意味で、過去10年のトレンドの総決算と位置づけられる。


《程塚正史》

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