VW ゴルフ 新型に圧縮天然ガス車、「TGI」…欧州発表

1.5リットル直4ターボは最大出力130ps

航続は最大およそ400km

化学合成メタンガス「eガス」を使用することも可能

フォルクスワーゲン・ゴルフ TGI 新型
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フォルクスワーゲンは10月21日、新型『ゴルフ』の天然ガス仕様、新型『ゴルフTGI』(Volkswagen Golf TGI)を欧州で発表した。

フォルクスワーゲンブランドは、天然ガス仕様の設定に積極的な自動車ブランドのひとつだ。『ポロ』などに天然ガス仕様が用意されている。ゴルフTGIは従来型にもラインナップされており、ゴルフをベースに、使用燃料をCNG(圧縮天然ガス)に対応させたモデルとなる。新型のボディタイプは、ハッチバックとワゴンの「ヴァリアント」が用意される。

1.5リットル直4ターボは最大出力130ps

新開発の直噴1.5リットル直列4気筒ターボエンジンを搭載する。最大出力は130psを引き出す。フォルクスワーゲンによると、CNG用に最適化されたこのエンジンは、低燃費かつ高出力で、低エンジン回転域でも力強いエンジン出力を発揮するという。

新開発の直噴1.5リットル直列4気筒ターボエンジンは、ミラーサイクルで作動する。これは、高効率と12.5対1の圧縮比のおかげで、低炭素排出を実現する燃焼プロセスだ。同時に、可変ジオメトリーターボチャージャーによって、ターボのブースト圧を増加させ、シリンダーにより多くの空気を供給する。これにより、新型ゴルフTGIはいつでも、低いエンジン回転域から力強く加速することができるという。

天然ガスで走行すると、炭素排出量が大幅に削減される。天然ガスは、ガソリンやディーゼルと比較して、エネルギー量が大幅に多く、炭素含有量が少ない。これは、CNGモードで走行すると、ガソリンよりも炭素排出量が約25%少なくなることを意味するという。

航続は最大およそ400km

CNGタンクは3個搭載された。容量は115リットル(17.3 kg)で、タンクは車両後部の床下に搭載されている。純粋な天然ガスモードでは、最大で約400 km(WLTP計測)の航続を可能にする。

CNGタンクの容量が少なくなると、使用燃料がガソリンに切り替わる。ガソリンタンクの容量は9リットル。ガソリンタンクは、CNGタンクが空になった場合に備えた予備タンクだが、これにより、400kmの航続がさらに伸びる。天然ガス自動車のユーザーは、欧州の多くの国で、比較的低い燃料価格の恩恵を受けることができるという。

新型ゴルフTGI は、100km走行当たり、4.1~4.3kgに天然ガスの消費量を抑えた。CO2排出量も111~117g/kmと、高い環境性能を備えている。

化学合成メタンガス「eガス」を使用することも可能

バイオメタンや「eガス」で燃料を補給すると、炭素バランスがさらに向上する。バイオメタンは廃棄物から得られる。eガスは、グリーン電力から生成される化学合成メタンガスだ。eガスは、風力発電によるクリーンエネルギーを利用し、電気分解で作り出した水素とCO2を混ぜて生産される。

eガスの製造過程では、グリーン電力を水と化学反応させることにより、酸素と水素に分離する。ここで得られた水素は、水素自動車に使用される。しかし、水素自動車の普及は広範囲に達していないので、この過程で精製された水素の一部は、次のプロセスでメタンガスに再精製される。水素はCO2と化合され、eガスに精製される。

さらに、天然ガスは一般に、ガソリンやディーゼルよりも有害物質の排出量が少ない。排気ガスに含まれる一酸化炭素と窒素酸化物(NOx)は大幅に少なく、すすや粒子状物質の割合は最小限という。

《森脇稔》

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