メルセデスAMG GT、「GT4」レーサーに改良新型…戦闘力向上

ブレーキとエンジンの冷却性能を強化

新開発のLED高性能ヘッドライト

最高の安全性能を追求

メルセデスAMG GT GT3とメルセデスAMG GT GT4 改良新型
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  • メルセデスAMG GT GT4 改良新型
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メルセデスベンツの高性能車部門のメルセデスAMGは3月11日、レーシングカーのメルセデスAMG 『GT4』(Mercedes-AMG GT4)の改良新型を欧州で発表した。

同車は、メルセデスAMG『GT』をベースにしたレーシングカーだ。2018年の発売以来、世界の4363レースに出走し、137回の表彰台、151回のクラス優勝、53回の総合優勝を成し遂げた。ニュルブルクリンク24時間レースでは、3度のクラス優勝を果たした。メルセデスAMG GT3の弟分として、世界のGT4セグメントで最も成功を収めたレーシングカーのひとつになっている。

ブレーキとエンジンの冷却性能を強化

改良新型メルセデスAMG GT4では、フロントアクスル周辺のブレーキ冷却性能とエンジン冷却性能が強化された。ブレーキエアインレットを拡大し、大径のブレーキエアラインを採用することにより、ブレーキコンポーネントの過熱を防ぐ。その結果、耐久レース中に負荷がかかるブレーキの摩耗を大幅に減少させ、ドライバビリティを向上させているという。

また、新しいカーボンブレーキエアダクト、最適化されたブレーキキャリパーアダプターのおかげで、熱の影響を受ける部品を通る空気の流れを改善した。フロントアクスルには、信頼性と高寿命を追求した新開発のブレーキディスクが装備され、ブレーキ冷却性能を高めている。

配置位置を見直したオイルクーラーは、実績のあるメルセデスAMG の4.0リットルV型8気筒ガソリンツインターボエンジンを、さらに効果的に冷却する。排気ダクトとボンネットは新デザインで、ともにカーボンファイバー製とした。メルセデスAMGによると、高温下でも確実にパフォーマンスを発揮するという。

この4.0リットルV型8気筒ガソリンツインターボエンジンは、最大出力476hp、最大トルク64.2kgmを引き出す。トランスミッションは、AMGの6速シーケンシャルで、車両重量は1390kg以下とした。動力性能は、0~100km/h加速が4秒以下、最高速は250km/h以上だ。メルセデスAMG GT GT4 改良新型メルセデスAMG GT GT4 改良新型

新開発のLED高性能ヘッドライト

改良新型のエクステリアには、最新のメルセデスAMG GT3と同一のヘッドライトとテールライトが装備される。これは、市販車のメルセデスAMG GTと共通デザインだ。新開発のLED高性能ヘッドライトは、サーキットでの視認性を大幅に引き上げる。夜間や視界不良の場合でも、安全性とパフォーマンスの面でドライバーを支援するという。

リアアクスルのトラックロッドは、寿命が大幅に延長された。その結果、改良新型メルセデスAMG GT4は、最も過酷な耐久レースでの戦闘力を高めている。耐久レースを考慮して最適化された大型ブレーキフルードタンクも、改良新型メルセデスAMG GT4の特長だ。メルセデスAMG GT GT4 改良新型メルセデスAMG GT GT4 改良新型

最高の安全性能を追求

改良新型メルセデスAMG GT4では、最高の安全性能を追求した。高張力鋼のロールケージは、アルミ製スペースフレームにボルトで固定され、ルーフにはハッチが組み込まれている。ヘッドレスト一体のカーボン製ドライバーセーフティセルは、通常のバケットシートよりも高いレベルの保護性能を発揮する。強力な消火システムも装備された。

改良新型には、レース専用のトラクションコントロールと、マルチに調整可能なABSが搭載されている。調整式ディファレンシャルを備えたレース用トランスミッションは、GT3テクノロジーに基づくものだ。調整式ショックアブソーバーを備えたダブルウィッシュボーンサスペンションを装備している。

なお、改良新型メルセデスAMG GT4は、2020年のモータースポーツシーズンに実戦投入される予定だ。
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《森脇稔》

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