ブルーイノベーションが京セラと共同開発、空飛ぶ「ドローン中継局」実用化へ…CES 2020

“空飛ぶドローン中継局”として開発された試作機
  • “空飛ぶドローン中継局”として開発された試作機
  • 京セラが開発したLTE/5G網のセルラー通信ユニットを中央に載せる
  • ブルーイノベーションが開発した“BI AMY 2”を搭載したドローン
  • “BI AMY 2”を搭載したドローンには、距離を把握するためにステレオカメラも搭載する
  • “BI AMY 2”を司るコントロール用チップ
  • CES2020のサウスホールに出展したブルーイノベーションのブース

ドローンパイロット支援事業を運営するブルーイノベーションは、1月9日、京セラと共に、ドローンを活用した「移動通信中継局」の共同開発に合意したと発表。その試作機を世界最大規模のIT家電ショー「CES 2020」に初出展した同社ブース内に展示した。

「移動通信中継局」は、言わば“空飛ぶドローン中継局”とも言えるもので、災害現場などで携帯電話の電波が届かないエリアでも通信中継局機能を持つ複数のドローンを複数飛ばすことで、平常時と同じような通信を可能にする。開発にあたっては、京セラがドローン中継局に搭載するLTE/5G網を構築できる各セルラー通信ユニットの開発を担当し、ブルーイノベーションはサーバー等のバックエンドや、画面インターフェイス等のフロントエンド構築を担う。

最大の技術的ポイントは、ドローン内の通信ユニットが通信エリアを判別し、自動的に通信網を形成できることにある。京セラが通信機器事業で培ってきた無線通信技術に加え、ブルーイノベーションが提供する、複数のドローン・ロボットを遠隔で制御して統合管理できる「Blue Earth Platform(BEP)」等のシステム・プラットフォーム技術が融合することで実現できる。

今後はLTEや5Gでの実証を重ね、実用化を目指していく考えだが、現状ではドローンを使った中継局の運用は認められていない。ドローンを活用した「空飛ぶ基地局」「空飛ぶ中継局」は、災害時の通信網確保の有効手段として携帯各社が取り組みを進めており、早期の法律改正が求められる。そのため、ブルーイノベーションと京セラは法令改正の状況をにらみながら2021年度中の商用化を目指していく考えだ。

また、ブルーイノベーションのブースでは、マーカーを複数設置せずかつ事前地図情報がなくても自己位置が推定でき、さらに障害物を自動回避できるセルフ・ナビゲーションシステムを搭載した“BI AMY 2(バイ・エイミー2)”を初公開。このシステムでは、リアルタイムに地図情報を取得しながら自動飛行が可能となり、マーカーが無くても自己位置精度を数cmの精度で安定した屋内自動飛行を実現できるという。

《会田肇》

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