GO2GO は所有とカーシェアリングをシームレスにする…IDOM 羽鳥貴夫社長【インタビュー】

IDOM 代表取締役社長 羽鳥貴夫氏
  • IDOM 代表取締役社長 羽鳥貴夫氏
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  • IDOMのカーシェアリングサービス「GO2GO」
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  • IDOM 代表取締役社長 羽鳥貴夫氏
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中古車店「ガリバー」を運営するIDOMが4月から個人間カーシェアリングビジネスに参入する。個人同士のマッチングサービスとしては後発になるが、競合他社との違いや同社が考えるシェアリングビジネスはどういったものなのか。

サービス開始前にIDOM 代表取締役社長 羽鳥貴夫氏に話を聞いた。

どの世代もシェリングを受け入れ始めている

----:個人間カーシェアリングサービス「GO2GO(ゴーツーゴー)」を開始することにしたきっかけ、その背景や目的を教えてください。

羽鳥貴夫 代表取締役社長 (以下敬称略):IDOMでは、ガリバー店舗を中心に毎月80万人以上の人とコミュニケーションがあります。そこで感じるのは、車を売りたいという人の多くは、車をまったく使わなくなったわけではないということです。手放す人も車は必要ですし、買いたいというニーズはなくなっていません。駐車場や維持費など条件が許すなら、持っていれば便利ですよね。維持費などは、車を購入しようと思っている人にもあてはまる問題です。ガソリン代、車検や税金、メンテナンス、ローンなど負担を軽くしたい人はたくさんいます。

同時に、シェアリングについての意識が変わってきていることも実感しています。車を購入する人も、使っていないときにシェアリングでお金が入るなら、維持費やローンが楽になることを積極的に評価する人が増えています。タイミング的にも今だろう、ということでサービスを立ち上げました。

----:個人的な見解かもしれませんが、シニア層は自分の車を他人に貸すことに抵抗感があるように思います。シェアリングに対する意識変化に世代間の違いなどはあるのでしょうか。

羽鳥:シェアリングで使っていない車を動かして維持費の足しにする、収入にするという考え方に対して、世代的な違いはあまり感じません。むしろ、鍵や車の受け渡しを自宅で行うことへの抵抗を感じる人、スマホだけで取引が完結していまうことに抵抗を感じる人の違いを感じました。シニア層はスマホだけで完結することをポジティブに捉えない傾向はありますね。

業者が仲介することの強みと安心感

----:個人間のカーシェアリングビジネスでは、先行するサービスがいくつかありますが、これらのサービスとの違いはどうでしょうか。GO2GOの強み、ユーザーメリットにはどんなものがありますか。

羽鳥:ガリバー店舗という事業者が間に入ることによるメリットがあります。さきほどの話に関係しますが、車両や鍵の受け渡し、貸出返却時の車両チェック、保険、クリーニング、匿名性など、リアル店舗のサービスの強みが、レンタカーや事業者のシェアリングより安いか変わらない料金で利用できます。

知らない人を自宅に呼ばないで済む、第三者による仲介は幅広いユーザーに受け入れられやすいと思っています。もちろん、スマホで全部済ませたいというユーザーは、店舗を介さない貸し借りも可能です。

業界ビジネスという視点でも、リアル店舗の存在は大きい。車を買いに来た人が、GO2GOのサービスに興味を示してくれることもありますし、買い取りの人も同様です。サービス開始について、とくにメディアでのPRなどは行っていませんが、すでに6000人以上の貸出車両のオーナーの登録があります。

アプリならではの、トラブル・盗難対策

----:シェアリングビジネスでは、利用者同士のトラブルやマナー、あるいは犯罪などが問題になりがちです。GO2GOではどのような対策を考えているのでしょうか。

ライドヘリングや個人間シェアリングでは、貸し手、借り手のトラブルが問題にされがちですが、公開予定のGO2GOアプリは、独自の評価システムでこの問題にも対応する予定です。例えば、よくあるトラブルに、借りた人が荒っぽい運転をした、申告した距離より多く走っている、といった問題があります。GO2GOアプリは、車両のモニタリング機能を載せる予定です。

ドライブレポートといいますが、急ハンドル、急ブレーキ、急加速などを車両のオーナーはアプリでチェックすることができます。盗難対策として、車両の位置情報もトラッキングできます。これらの情報は、個人情報やプライバシーにも関わるので、すべてが自由に閲覧できるわけではありませんが、これまで星や数字など自己申告や主観的だった評価を数値化・可視化できるという特徴があります。

キャンペーンよりも“利用したくなるサービス”が重要

----:IDOMにおける既存事業との連携、あるいは他社との協業についてはなにか考えていますか。

羽鳥氏:既存事業連携、他社協業ともに考えています。手数料無料や車両購入と入会でキャッシュバックなどの施策はしばらく続けます。2019年内にはスマートロック対応なども考えています。ただ、スマートロックは個人間シェアリングのニーズとして、急を要するものではないと思っています。

まずは、登録ユーザーを増やすこと、多くの人に知って使ってもらうことに注力します。キャンペーンやPRも重要ですが、それよりオーナーに「貸したい」「借りてもらいたい」と思ってもらうこと、利用者に「借りたい」「借りてよかった」と思ってもらうことが最優先です。

経済的なメリットだけでない利用や利用スタイルを広げることで、新しい需要が生まれてくるはずです。すでに6000台規模の車両が登録されているわけですが、その中にはスポーツカーやオープンカー、キャンピングカーなども含まれ、車種バリエーションがとても豊富です。これらの車種は保険の適用が難しかったり、レンタカーやシェアリングカーでも設定が難しいのですが、GO2GOでは対象車両です。

車の販売だけ、シェアリングだけにこだわらない

----:最後に、IDOMの目指す企業像はどのような姿でしょうか?

羽鳥氏:ある統計では、一般的な人が生涯に乗る車は5、6台程度だというデータが出ています。しかし、各社が市場に展開している車種は何百、何千とあるでしょう。ハイブリッド、EV、自動運転など新しい技術も投入されています。国内にはおよそ7000万台の車両が登録されているといわれています。これだけ多くの車両が存在しているのに、5、6台の車種しか乗り継がない、乗れないというのはもったいないと考えています。

GO2GOで、より多くの人が100台、200台と、洋服を着替えるような感覚で、普通に乗れるような社会を目指したいですね。

そのためには車両を、売り買いだけ、所有だけ、貸し借りだけ、移動だけという枠組みから解放する必要があると思っています。GO2GOは、車両の売り買いから貸し借りまでシームレスにつなぐサービスとして考えています。

車を所有する喜びを、シェアリングで諦める必要はありません。移動、用途、趣味、どれかにこだわっても、一生に5、6台しか持たないとなると、結局、自分の用途に応じて最小公倍数的な車両を選ぶしかありません。そんな心配がなくなれば、乗用車の市場も活性化できると思います。

この点でいえば、メーカーに縛られない、セールス、リース、シェアリングとこだわる必要のない中古車販売はフリーハンドな立ち位置にいると思います。市場の変化と顧客の課題を的確にとらえて、新しいサービス、ビジネスを考えていきたいと思っています。

《中尾真二》

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