台車枠の溶接部を6割カット…JR東海のハイブリッド特急型車両は2019年末に登場へ

2019年末に走行試験車が登場するハイブリッド式次世代特急型車両のイメージ。トータルコンセプトは、飛騨・南紀地区をイメージした「和」。車体のコンセプトは「漆器の持つまろやかさや艶のある質感」で、先頭車の前面、上部、照明部分を滑らかな曲線形とすることで「和」を表現。躍動感を表現するためオレンジ色の帯を曲線状に配している。
  • 2019年末に走行試験車が登場するハイブリッド式次世代特急型車両のイメージ。トータルコンセプトは、飛騨・南紀地区をイメージした「和」。車体のコンセプトは「漆器の持つまろやかさや艶のある質感」で、先頭車の前面、上部、照明部分を滑らかな曲線形とすることで「和」を表現。躍動感を表現するためオレンジ色の帯を曲線状に配している。
  • グリーン車のイメージ。座席配置は2+2で、モケットは沿線の新緑や夕暮れの紫の空をグラデーション状にデザイン。落ち着いた内装とするため、内壁は濃い茶色の木目となっている。
  • 普通車のイメージ。グリーン車とは対照的に「明るいワクワク感」を表現。こちらもシートモケットはグラデーション状となっており、沿線の紅葉や祭・花火をイメージしたものとなる。内壁はグリーン車と同じく木目調だが、明るい茶色となる。
  • 一体成形により、313系電車との比較で溶接部を6割程度減らすという新型台車枠のイメージ。

JR東海は12月12日、高山本線と紀勢本線へ向けた次期特急型車両の詳細を明らかにした。

この車両は、現在、特急『(ワイドビュー)ひだ』『(ワイドビュー)南紀』で使用されているキハ85系特急型気動車の置換えを念頭に置いたもので、エンジンで発電した電力と蓄電池に充電した電力を併用してモーターを回し走行するハイブリッド方式を採用することで、安全性・快適性の向上や環境負荷の低減を図るとしている。

安全性の向上では、台車枠の重要溶接部を60%程度カットし、一体成形により溶接箇所の減少を図るとともに、台車などの振動状態を常時監視し異常を速やかに検知する「振動検知装置」、車両の状態を常時車両基地へ送信することでメンテナンスに活用する機能、運行情報などを表示する案内表示器が設けられる。

2019年末には試験走行車が登場する予定で、JR東海では1年間を目途にハイブリッド技術の確立へ向けた基本性能試験や長期耐久試験などを実施。2022年度を目途に量産車を投入する方向で検討を進めていくとしている。

《佐藤正樹(キハユニ工房)》

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