エコプロ2017の会場内にあった、水素活用社会という共同ブース。そこにはホンダ『FCXクラリティ』やスズキ『バーグマンフューエルセル』といった燃料電池車が、水素を充填するディスペンサーとともに展示されていた。
その奥にあったのがトヨタL&F(豊田自動織機)のフューエルセルフォークリフト。2016年の物流展で試作車両を展示していたが、この実物は、稼働している形跡が……。すでに量産化して販売されているのか?
「昨年9月の物流展に展示した時にはコンセプトでしたが、11月から販売して全国で稼働しています」と説明員。
何と、コンセプト発表からわずか2か月後には製品として完成していたのだ。しかもフォーク1台ごとに水素の充填量、充填回数、稼働距離などの情報をPCやタブレットで管理出来るモニタリングシステムまである。
現在1回の充填でおよそ8時間稼働出来るそうだ。連続した作業となると5時間程度となってしまうが、バッテリーフォークと異なり、水素さえ充填すればすぐにまた稼働できる。
「バッテリーフォークの場合、充電量が低下してくると電圧も落ちてきてしまいますが、FCの場合は最後まで電圧が落ちないのでパワーは変わらないのもポイントです」。
ただし燃料電池で作った電力を一時的に貯めるバッテリーはそれほど大きくないので、フォークを降ろす際などに発生する回生エネルギーはあまり活用していないそうだ。
お値段は1台1400万円とか。しかし補助金が500万円受け取れるので、企業の負担は少なく済む。工場内に小さな水素ステーションを設置する必要はあるが、今後は乗用車より普及が進むかも知れない。