蒸気機関車を元の転車台へ送り出したい…北海道標津町の有志が支援を募集中

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C11 224と標津線転車台保存会の皆さん。
  • C11 224と標津線転車台保存会の皆さん。
  • 旧標津線根室標津駅付近に残る、手押しの転車台。

「標津線転車台保存会」は、C11形蒸気機関車を転車台へ移送するための支援を、7月31日までインターネット募金(クラウンドファンディング)を通して募っている。

標津線は、厚床(あっとこ)~中標津(なかしべつ)間47.5kmと、標茶(しべちゃ)~根室標津間64.9kmからなる道東のローカル線だったが、JR北海道移行後の1989年4月に廃止された。同線では1975年までC11形けん引の貨物列車も運行されていた。

標津線廃止から30年近くが経過した現在、旧根室標津駅周辺に駅舎の姿はないが、幸いなことに、機関車を方向転換する手押し式の転車台が残っている。

会では「町の産業を支えてきた鉄道の遺産に注目することで、町の産業、文化の活気を取り戻したい」としており、転車台から200mほど離れた公園に保存されているC11形224号機(C11 224)を、元の根室標津駅転車台へ送り出すプロジェクトを開始。移送のためのクレーン吊り上げ実験や転車台強度の確認などを行なった。

C11 224は、他の機関車へ部品を供与したこともあって完全な姿ではないが、車輪は回せる状態にあるという。しかし、運び出すには800万円ほどの費用が見込まれ、その問題が立ちはだかった。

大半は地域での寄付や行政からの助成などで賄うとしているが、残る150万円分の調達が困難で、クラウドファンディングに挑戦するに至った。

現在、クラウンドファンディングサイトのACT NOWで支援を募っており、6月27日時点での支援総額は、目標額の11%にあたる17万5000円となっている。

会では今後、8月6日にC11 224を転車台のそばへ移送し、10月8日に開催される旧標津線フットパスイベントで公開したいとしている。

《佐藤正樹(キハユニ工房)》

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