明知鉄道の富士重工業製「アケチ6号」3月末で引退、臨時運転実施

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アケチ6形
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明知鉄道で28年間走り続けてきた富士重工業製気動車「アケチ6号」が3月31日に現役を退く。「4月の新型車両導入にあわせて」と同社。3月6日には臨時急行「ごくろうさまアケチ6」、13日には臨時特急「ありがとうアケチ6」、31日には「アケチ6ラストラン」が運転される。

明知鉄道は、1985(昭和60年)11月、国鉄明知線を引き継いだ第三セクター鉄道。岐阜県の恵那と明智の間、25kmの線路(恵那市、中津川市)や気動車6両などを保有。2月中旬に「岐阜県鉄道老朽化施設整備計画にもとづいて新型車両「アケチ100型」を2016年度に導入。車両更新は17年ぶり。1989(平成1)年に導入したアケチ6号を置き換える」と伝えていた。

アケチ6形は、富士重工業で1989年に製造されたLE-Car IIシリーズのボギー台車タイプで、同社が保有する車両の中でも最も古い機材。バスに似たボディ構造で、乗降ドアや側面窓などは路線・観光バスなどと同じものを想わせる。

この6形の引退にあわせ、3月1~31日に、恵那・明智の両駅で「アケチ6号さよならフリー乗車券 恵那⇔明智」(1380円)を発売。6日には臨時急行「ごくろうさまアケチ6」(明智11:26→恵那12:12、恵那12:24→明智13:13)を、13日には臨時特急「ありがとうアケチ6」(明智11:27→恵那12:10、恵那12:26→明智13:11)を、31日には急行「アケチ6ラストラン」(明智11:24→恵那12:12、恵那12:22→明智13:15)を運転する。13日運転の臨時特急は、途中岩村しかとまらない。

富士重工業は、このアケチ6形をつくった13年後、「これまで採算の厳しかったバス車体の製造および鉄道車両の製造事業を見直し、2002年度限りで新規生産を終了する」と伝え、鉄道車両製造から撤退した。

「富士重工業の鉄道車両製造事業は、戦災車の復旧や修繕に端を発し、1955年国鉄(現JR各社)気動車メーカーの指定を受け、キハ17を製造したことに始まる。気動車については、その後特急用車両を多く手掛け、1989年には世界初の振子式特急気動車を実用化、最近では昨年7月にはJR北海道に振子式特急列車キハ283系20両を納めている。また、1969年には国鉄客車メーカーの指定を受け、ブルートレインと呼ばれる寝台特急の客車製造も担当し、現在上野―札幌間を走る特急「カシオペア」の客車も分担生産している」(富士重工業、2002年当時)

富士重工業製“バスのような気動車”の引退を決めた明知鉄道は「アケチ6号の今後については未定。廃車手続きなどを含め、関係自治体などと協議しているところ」と話していた。

《レスポンス編集部》

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