NEXCO中日本、研究中の「ドローンによる施設点検」デモンストレーションも実施

航空 テクノロジー
NEXCO中日本が施設点検用に導入する大型ドローン。
  • NEXCO中日本が施設点検用に導入する大型ドローン。
  • 最大の特徴は無線によって飛ばすのではなく、有線接続によって飛ばすということ。
  • 電源も有線接続されているため、バッテリー切れの心配はなく、長時間の運用を可能としている。
  • ドローン本体には構造物の状態を撮影するスチールカメラが搭載されている。
  • 橋梁上の本線(路面)を拠点として飛ばす。側壁によって直接の機体目視が行なえないため、操縦者は客観視点で撮影する監視カメラの映像をモニターで見ながら飛ばす。
  • この日のデモンストレーションは施設の天井を橋脚下部に見立てて行なった。
  • 測距センサーがあるため、搭載カメラのピントが合う距離を進む。
  • 有線接続されているので、機体をロストさせるリスクも低減できる。

25日に行なわれた「技術研究所」の施設公開で、中日本高速道路(NEXCO中日本)施設点検や保守を行っているグループ企業「中日本ハイウェイ・エンジニアリング東京」は、有線接続したドローンによる施設点検のデモンストレーションも披露した。

同社は新東名高速道路の施設点検も担当しているが、建設技術の発達により、同道には高さが約100mに達する橋脚や橋梁が存在する。こうした施設の底部を直に目視点検するのは難しく、ドローンの活用が必須となってくる。

とはいえ、地上からその高さに飛ばして点検を行うというのも大変なことであり、構造物が遮蔽してGPSの電波も届きにくくなる。こうしたことから同社が研究しているのが「橋梁上部にある路面を拠点として、下方へドローンを飛ばして点検を行う」という技術だ。今年度からの導入を目指しているという。

ドローンといえば無線操縦のイメージが強いが、同社が導入を目指しているのは有線接続したドローン。機体のコントロール系だけではなく、電源もケーブルによってドローン側へ常時供給するために長時間の運用ができる。

運用する際には側壁側の第1車線を規制した上で機材をセッティング。橋脚上の路面から離陸させ、下方に向かってドローンを飛ばすことになる。側壁があることによって「飛んでいるドローンを直に目視することができない」ことから、飛んでいるドローンを客観視点で撮影する監視用ビデオカメラの映像をモニターで見ながら飛ばすことになる。ドローンの機体には測距センサーを搭載しており、構造物への衝突は回避するようになっているが、モニター越しで状態を監視しながら行なう操縦の難易度はかなり高いそうだ。

《石田真一》

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