【SUPER GT】開幕前日、準備進む岡山国際…GT300にはコーナリング進化の新車多し

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#7 BMWと#21 アウディは隣同士のピット位置。
  • #7 BMWと#21 アウディは隣同士のピット位置。
  • #21 アウディのドライバー、藤井誠暢。
  • JLOCチーム(#88、#87)のランボルギーニ・ウラカン(本文に登場する横溝選手はチームDIRECTIONの#63に乗る)。
  • 続々と運び込まれるマシンたち。GT300クラスに参戦するフェラーリ488(#51)の姿も。
  • 左奥からGT300クラスのBMW、アウディ、ポルシェ。
  • GT500クラスの日産GT-R。
  • GT500クラスのホンダNSX-CONCEPT-GT。
  • GT500クラスのレクサスRC F。

8日、SUPER GTシリーズ開幕戦の予選前日となった岡山国際サーキットでは、参戦各チームがマシン搬入やピット設営等の準備を進行しており、いよいよ開幕ムードが高まってきた。

今年も全8戦のシリーズは岡山国際サーキットで幕を開ける。3週間前にも岡山では公式合同テストが行なわれており、それ以前にもここでテストをした陣営も多いため、ある意味ではオフシーズンに進めてきた煮詰めの集大成を競う場ともいえるのが開幕戦岡山だ。開幕戦なので当然、全車ノーハンデでの戦いになる。

GT500クラスはいわゆる「2014年規定車」での3シーズン目。過去2年は日産GT-R、それもNISMOの松田次生&R.クインタレッリが連覇しているだけに、レクサスRC F勢とホンダNSX勢にとって「ストップ・ザ・日産」が目標になるのはもちろん、NISMO以外の日産勢にとっては「ストップ・ザ・NISMO」が合言葉になるだろう。

岡山~富士と続いた3月の公式合同テストでは、レクサス勢がベストタイム上位を占める傾向が続いた。タイヤ的にもレクサス勢の多くが履くブリヂストンが上位(王者NISMOはミシュラン装着)。この流れがシーズン実戦でも維持されるのか、あるいは変わるのか、GT500クラスにおける開幕戦最大の焦点である。もちろん、今季はハイブリッド非搭載仕様となってのリスタート、NSXの走りにも注目が集まる。

そして今季はGT500を食ってしまいそうなくらいに話題豊富なのがGT300クラス。新車投入シーズンといえる年であり、百花繚乱の様相が一層華やかさと派手さを増しそうだ。なかでもドイツとイタリアからやってきた新型FIA-GT3マシン勢のGT300クラス初陣は見もの。メルセデスAMG GT3、BMW M6 GT3、ポルシェ911 GT3 R、アウディR8 LMS、フェラーリ488 GT3、ランボルギーニ・ウラカンGT3、どんな勢力図が描かれるのだろうか。

ドライバーたちに新車の感触を聞いてみた。まず、アウディR8 LMS(#21)をドライブする藤井誠暢は「新型R8はロードカーが大幅な軽量化と剛性アップを果たしているわけですが、そういう良い部分がレースカー(新型LMS)にも反映されています」と語る。さらに「アウディの利点だったブレーキング、ターンイン、トラクションといったコーナリングに関わる性能が正常進化しました。それも1.5倍ではなく2倍くらいの進化です」と、手応えの高さを強調する。

BMW M6 GT3(#7)の荒聖治:「コーナリングの速さ、見た目の大きさを感じさせない運動性能はさすがBMWだと思います。従来(Z4)以上にコーナリングが良くなった上に、直線も速くなって、そのバランスが良くなっていますね。実戦では走り出してみないと分からないことも多いですが、テストで得たクルマへの手応えはかなりいいです」

ランボルギーニ・ウラカンGT3(#63)の横溝直輝:「順調に来ていますね。どちらかというと、ブレーキングとかコーナリングが得意なクルマです。タイヤにも優しいと思いますよ。ただ、フタを開けてみないとみんながどんな感じで走るかが分からないですけどね。クルマのタイプとしてはコーナリング得意型だと思います」

どことなく皆、似た印象のニューカーインプレッションに思える。いずれもコーナリング性能が上がっているようで、かつて登場当初はどちらというと直線スピードに秀でた感が強かった“FIA-GT3マシン像”が今季はいよいよ一新される可能性もありそうだ。直線に関してはいわゆる性能調整に依る部分も大きく、このあたりが「実戦で走り始めてみないと」という話にもつながっているのだが、とにかくコーナーがより速くなったマシンばかりでの、コーナリングコース岡山での初戦、熱い展開は必至だろう。

GT500クラス15台、GT300クラス30台がエントリーするSUPER GT第1戦「OKAYAMA GT 300km RACE」は9日に公式予選、10日に決勝が行なわれる。

《遠藤俊幸》

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