神戸製鋼は1月13日、耐応力腐食割れ性(耐SCC性)と耐力400N/平方mm級の高強度を両立させた7000系アルミ合金「7K55」を開発したと発表した。
自動車分野では、近年の環境規制の強化により車体の軽量化ニーズが高まっており、軽量化の有効な手段として、バンパービーム、骨格材などでアルミ押出材の需要が拡大している。
バンパービームは、エネルギーを吸収して搭乗者を衝撃から守る役割を担っており、高い強度が求められる。亜鉛やマグネシウムを添加することで強度を高めた7000系アルミ合金は、現在アルミ製バンパービームで主流となっている6000系アルミ合金と比較して、より薄肉での設計が可能。今回開発した7K55をバンパーに適用すると、部品重量が6000系アルミ合金製比で約30%軽量化される。
しかし、7000系アルミ合金は、一般的に高強度になるほど耐SCC性が劣化する特性があり、その両立が課題となっていた。同社は化学成分と熱処理条件を最適化し、適切な組織制御を行うことで課題を解決。同社従来品に対して耐SCC性を維持しつつ、約30%高強度化した耐力400N/平方mm級合金7K55の開発に成功した。
7K55は既に日系自動車メーカーでバンパービーム用押出材として採用が決まっており、今後、さらなる採用拡大を目指す。