ピュー・リサーチのリポート「将来の世界の宗教;人口増加予測2010-2050」によると、マレーシアはイスラム教徒の人口比率が現在の63.7%から72.4%に拡大すると予想されている。宗教別の人口比の変化は、今後の国の政策に影響を及ぼすことが予想される。
マレーシアの人口は2010年時点で2,840万人(現時点ではすでに3,000万人を突破)だが、2050年には4,519万人に増加すると予想されている。非イスラム教徒ではキリスト教徒が9.4%のまま横ばいで推移すると見込まれるが、仏教徒は17.7%から10.8%に、ヒンドゥー教徒は6.0%から5.0%にそれぞれ下がると予想されている。
出生率の差が影響しており、マレーシアの仏教徒やヒンドゥー教徒が2010-15年にそれぞれ1.6、2.12人なのに対し、キリスト教徒やイスラム教徒は2.6、2.9人と高くなっている。出生率はどの宗教での下がるとみられるが、2050-55年では仏教徒やヒンドゥー教徒が1.4、1.6人と予想されるのに対し、キリスト教徒やイスラム教徒は1.9、2.0人と高めを維持すると予想されるという。
なお世界全体では、現在23.2%を占めるイスラム教徒の人口比が2050年には29.7%に拡大し、31.4%で横ばいのキリスト教徒に迫る勢いになるとみられる。