特急『スーパー白鳥34号』(789系電車6両編成)で発生した青函トンネル内での発煙トラブルについてJR北海道は4月8日、これまでの内部調査の結果を発表した。事故原因はこれまで通り、過電流によるものと推定している。
トラブルは4月3日、海峡線知内信号場~津軽今別間の青函トンネル内を走行中に発生。17時07分頃、車掌が窓の外に火花が出ているのを確認し、竜飛定点の青森方1.2kmの地点で列車を停止させた。その後、車内で煙が出ていることを確認したことから、乗客を定点からケーブカーで地上に避難させた。
この影響で、4月3日発の急行『はまなす』などが運休。上り札幌発の臨時寝台特急『北斗星』は函館駅で足止めを余儀なくされた。不通区間は上下線とも4月4日未明に開通している。
同社の今回の発表によると、4月4日から函館運輸所で調査を実施。その結果、5号車(モハ788-202)の4台のモーターに電気を送る太さ約18mmの電線や、モーターを冷却した後の排気が通るゴム製の通路(風道)、排気口付近のゴムホーム、配線被膜が焦げていた。モーターも熱により変色していたという。
これらの調査結果からJR北海道は、4台のモーターに過電流が流れたことで電線の被覆が焦げ、煙が発生したと推定。さらにモーターも過電流により異常な発熱を引き起こし、排気された冷却用の空気が高温化。これが排気風道のゴム製蛇腹や空気ホースを溶かし、異臭と発煙を助長させたのではないかとしている。
同社は今後、トラブルが発生した車両を苗穂工場に回送し、引き続き各部品の調査を行う方針。原因の究明は第三者機関の協力を仰ぐとしている。