【SUPER GT】岡山公式テスト…GT500トップタイムは KONDO GT-R

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#24 GT-R(写真先頭)がGT500クラスの総合トップタイムをマーク。
  • #24 GT-R(写真先頭)がGT500クラスの総合トップタイムをマーク。
  • GT500クラスの#24 日産GT-R。(SUPER GT 岡山テスト)
  • #24 GT-Rの佐々木大樹。(SUPER GT 岡山テスト)
  • GT500クラスの#1 日産GT-R。
  • 前年のGT500王者、#1 GT-Rのクインタレッリ。(SUPER GT 岡山テスト)
  • GT500クラスの#19 レクサスRC F。(SUPER GT 岡山テスト)
  • GT500クラスの#15 ホンダNSX  CONCEPT-GT。(SUPER GT 岡山テスト)
  • SUPER GT開幕戦の舞台、岡山で公式テストが実施された。

SUPER GTシリーズは14~15日、岡山国際サーキットでシーズン前恒例の公式合同テストを実施した。GT500クラスの2日間総合でのトップタイムは、近藤真彦監督率いるKONDO RACINGの「D’station ADVAN GT-R」がマークしている。

4月4~5日に開幕戦が開催されるサーキットでの重要な公式合同テストに、GT500クラスは今季フルエントリーの15台(レクサス6台、ホンダ5台、日産4台)が、GT300クラスは24台が顔を揃えた(GT300の今季フルエントリーは現状29台の見込み)。今年も岡山国際サーキットのファン感謝デーとの併催になったこのテストだが、レース本番ではないのに『BSスカパー!』でのテレビ生中継(番組制作はJ SPORTS)が初実施されるということでも注目を集めた。

路面状況は初日(14日)の午前がウエットだったものの、初日午後と2日目(15日)は基本的にドライ。そのなかでGT500クラスの2日間総合でのトップタイムをマークしたのは、日産の#24 D’station ADVAN GT-R(佐々木大樹&L.オルドネス/タイヤはヨコハマ=YH)だった。

もちろんテストというのは各陣営の思惑が様々に異なるため、ベストタイムの順位だけで仕上がり具合を計れるものではないが、1分19秒341という今回最速になるタイムをマークした初日午後のセッション後、佐々木は「素直に嬉しいです」と語っている。

これまでも各陣営はマレーシア・セパンや鈴鹿、岡山等でテストを重ねてきており、コース上で出会う機会もあったわけだが、「全車が15年仕様に変わった(と考えられる)最初のテストで一番速かった、ということですから」と佐々木は嬉しさの理由を付け加える。

佐々木のタイムはコースレコード相当。だが、それでもまだまだ“先”はあるようだ。「コースレコードだったことは全然知りませんでした。でもこれが限界ギリギリというわけではなく、まだタイムアップの余地はあると思います。あとコンマ5からコンマ8、本番(開幕戦の予選)では1分18秒台には間違いなく入ると思いますし、もちろんそれはライバルチームも同じでしょう。開幕までにもっともっとマシンを速くしていきたいですね」。昨年以上にレースは高速化するものと考えられる。

初日午後と同じくドライだった2日目の午前トップは、前年王者#1 MOTUL AUTECH GT-R(松田次生&R.クインタレッリ/ミシュラン=MI)で、タイムは1分20秒270。連覇を目指すクインタレッリは「ロングランの手応えがいい。決勝ペースには自信がある」と開幕戦を見据える。

2日目の午後はレクサス勢の#19 WedsSport ADVAN RC F(脇阪寿一&関口雄飛/YH)が1分20秒312で首位。世界でも稀なタイヤ戦争があることもSUPER GTの特徴だが、王者MIや強豪を多数抱えるブリヂストン(BS)を向こうに回し、少数精鋭で挑むYHがドライで2度のセッショントップを奪取している点はシーズンに向けて楽しみな要素だ。

自動車メーカー別に見ると、ドライだった3セッションを日産勢が2回、レクサス勢が1回、トップで終えたことになる。ホンダ勢はトップ奪取がなく、タイム水準が最も高かった初日午後に#15 ドラゴ モデューロ NSX-CONCEPT-GT(小暮卓史&O.ターベイ/BS)が1分19秒622をマークしてセッション3位となった以外は、セッション上位を賑わすに至らなかった。15日に開幕戦決勝があったF1のマクラーレン・ホンダのような事態にはならないと思うが、昨季前半の苦戦傾向を考えると、少し気にかかるところではある。

GT300クラスでは、昨年のドライバーズランク2位でチーム部門タイトルを獲得した#11 GAINER TANAX SLS(平中克幸&B.ビルドハイム/ダンロップ=DL)がドライの3セッションをすべてトップで終えた。総合ベストは初日午後の1分27秒224。平中は「今年こそダブルタイトルを獲りたい。タイヤ(開発)の方向性が確認できて良かった」と初日終了後に手応えの高さを語っている。

#11 平中組の好敵手で、昨季BMW Z4でドライバーズチャンピオンを獲得、今季は#11と同じメルセデスSLSにマシンをスイッチして臨む#0 グッドスマイル 初音ミク SLS(谷口信輝&片岡龍也/YH)はドライ3セッションの順位が10位-7位-7位。もう少し時間が必要なのかもしれない。2日間総合でのGT300クラス全体2番手タイムは、#11 平中組の僚友である#10 GAINER TANAX GT-R(A.クート&千代勝正&富田竜一郎/DL)の1分27秒404。DLタイヤの好仕上がりぶりが窺えるところだ。

4月4~5日の岡山開幕戦に向け、いよいよ臨戦モードが高まりつつあるSUPER GT。世界でも屈指の実力と人気を誇るハコ車のレースシリーズとして、今季も多くの観客でサーキットを賑わすことだろう。

なお、SUPER GTの開幕前の合同走行機会としては、このあと23~24日に富士スピードウェイにおいて実施されるメーカーテストというものが残っている。実質的には公式合同級と考えていいテストで、GT500全15台、GT300も19台が参加予定。両日とも平日ではあるが、一般観覧可能(大人1000円)であり、ピットレーン解放やマイカーでのコース体験走行といったファンプログラムも実施予定となっている。

《遠藤俊幸》

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