大型フェリーでもし火災が発生したら…「さんふらわあ こばると」号で訓練

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国土交通省 近畿運輸局と大阪海上保安監部は7月1日、合同で大阪市住之江区の南港フェリー埠頭において大型フェリー「さんふらわあ こばると」号の夏季多客期前安全総点検にあわせて、火災発生を想定した総員退船訓練を実施した。

この安全総点検は、例年乗客が多くなる夏季を前に行われるが、今年は4月に韓国で発生した「セオウル」号事故に鑑み、特に火災発生を想定した総員退船訓練をあわせて実施した。

この訓練には、乗客50名、乗組員25名、近畿運輸局・大阪海上保安監部の係官25名の合計100名が参加して行われた。

訓練では、船内の「火災現場」「ブリッジ」「機関室」「案内所」で火災に対して乗客を安全に退船させる手順を想定にしたがって実施した。

想定された火災事故は、火災発生・初期消火・放水消火・投錨・負傷者発生・スプリンクラー準備・スプリンクラー消火実施・火災拡大・退船準備・救命いかだ救命ボート降下・総員退船の順に進行した。

これらの火災事故の各段階で船内の各所で乗組員がどのように対処して乗客を誘導するか、が訓練の中心テーマになる。

火災事故の各段階での訓練は、例えば火災発生の段階では、車両甲板で車両から出火したのを甲板員が発見、トランシーバーでブリッジへ報告し、消火器で初期消火。ブリッジでは火災発生の報告を受けて当直員が船長に報告、船長は乗組員に防火部署発令を命じ、運行管理者に携帯電話で連絡する。

次の初期消火の段階では、火災現場では消火班が到着して初期消火を続ける。このときブリッジでは、航海士が船位・時刻を確認して、海上保安部に「緊急事態対応手順書」による連絡をする。船長は事務長に火災発生の船内放送を指示。連絡を受けた機関室では機関長が制御室に待機し、ブリッジからのオーダーに対応する。案内所では事務長が火災発生の船内放送を実施する。

《山内 博》

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