JR北海道、『北斗』『サロベツ』運休5往復が8月から再開

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JR北海道は6月6日、火災事故に伴い使用を中止している特急形気動車について、改善策を講じた上で使用を再開すると発表した。これに伴い8月1日から定期特急列車5往復の運転を再開する。

JR北海道では2013年7月6日15時40分頃、函館本線の山崎駅構内で特急『北斗14号』の4号車(キハ182 2557)から出火する事故が発生。これを受けてキハ182 2557と同種のエンジンを搭載している36両の使用が中止され、現在も函館~札幌間を結ぶ特急『北斗』4往復と札幌~稚内間の特急『サロベツ』1往復の運休が続いている。

発表によると、出火原因はエンジンの燃料噴射調整装置内にある「スライジングブロック」と呼ばれる部品の折損と、エンジンブロックの破損。高速化を目的に燃料制御の機敏性を向上させるため、燃料制御装置のサーボモーターを大型化したが、これによりスライジングブロックに設計上の想定を超えた大きな負荷が働いて折損した。その際、燃料噴射ポンプが燃料を供給し続ける方向に動く構造だったことからエンジンが過回転状態となり、エンジンブロックが破損した。

JR北海道はスライジングブロックの折損防止策として、燃料制御装置サーボモーターピストンの可動域の調整機構(ストッパー)を新設。また、ピストン内圧の急激な変化を抑えるため、油圧回路入口部に絞りを追加した。さらに多重防護策として燃料噴射ポンプコントロールラックへの戻しバネを新設し、スライジングブロックが折損しても過回転になることを防止。過回転を検出して強制的に停止させるシステムも導入する。

8月1日から運転を再開するのは、函館~札幌間の下り『北斗5・9・13・15号』と上り『北斗4・6・12・16号』。これに伴い臨時『北斗85・89・93号』『北斗84・86・92号』が運転を終了する。札幌~稚内間で1往復設定されている『サロベツ』も8月1日から運転を再開する。

《草町義和》

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